同志社東京校友会から依頼頂き、大学選手権準々決勝、同志社vs早稲田の観戦記を書いた。スクラムの度に冷や冷やしたが、ラインアウトを確実に取れ、大きな空間の中で展開力を発揮できたことが勝因の一つに挙げられるかなと思う。もちろん、早稲田を自由に走らせなかったディフェンスも素晴らしかった。

 

【前半】

早稲田の足を止めた好ディフェンス

ラインアウトから奪ったトライが4つ

 

早稲田のキックオフでゲームが始まるが、そのキックオフのボールを同志社は早稲田に奪われる。早稲田はその勢いを借りて攻撃を開始するが、同志社BKのラインディフェンスとFW第三列の前に出るスピードが素晴らしく、早稲田の攻撃をしっかり前で止める。その後、ペナルティを得た同志社はタッチに蹴り出し、ラインアウトから左オープンに展開、連続攻撃で早稲田を揺さ振ると、最後はFB崎口からパスを得た右CTB石田が先制のトライ、ゴールも成功し7-0とする。その後、早稲田のキックオフでゲームが再開されるが、そのボールも同志社は奪われる。勢いに乗る早稲田が攻め始めるが、同志社の早いディフェンスに再び前進を阻まれる。象徴的だったのは早稲田SOのショートパスを得たLOがラインを突破して裏に出るが、抜かれた、と思った瞬間、FB崎口が突き刺すようなタックルを浴びせ、LOを押し戻したシーンだ。味方には勇気を、敵には落胆を与える素晴らしいタックルだったと思う。

14分には再びラインアウトから同志社が一気に早稲田ゴール前まで攻め入り、ラックから出たボールをLO山田が拾ってゴールに飛び込みトライ、12-0とする。その後の早稲田ボールのキックオフでも同志社はボールを奪われるが、これも右FL野中らの好タックルでピンチを脱し、逆に21分、ラックからのこぼれ球を拾ったFB崎口がラックの真ん中をすり抜けてトライ、ゴールも成って19-0とリードを広げる。その後のキックオフで同志社は4回連続でボールを奪われるが、これも早稲田SOFB崎口が好タックルを浴びせ、早稲田のチャンスを早々と潰している。同志社の思い切って前に出るというディフェンスが早稲田のリズムを狂わせ、ピンチを未然に防ぐことに成功したように思う。

33分に見せた同志社のトライは実に見応えがあった。ラインアウトから右に展開、SH大越がループでボールを受けるとFB崎口にパス、ラインの裏に出た崎口からボールをもらったWTB松井が自在の走りでゴールに向かい、そのままトライ。ゴールも成って26-0。38分には再びラインアウトから右に展開、ラックから出たボールをSH大越が右に振ると見せかけ、左に向いたところに逆サイドの左WTB安田が走り込んできてパスを受け、そのままゴールまで走ってトライ、ゴールも成功し33-0。いずれも同志社の展開力や選手個々のセンスを見せつける攻撃だったように思う。

ここで前半が終了するが、攻撃面ではラインアウトを確実に取ることで敵ディフェンスラインとの間に大きなスペースを確保し、同志社はその空間で上手く展開力を生かし、トライに結び付けたように思う。一方の守備面では、前に出るディフェンスが功を奏し、又、FB崎口らが見せた早くて低いタックルが早稲田のチャンスを早い段階で潰していたように思う。

 

【後 半】

7人スクラムで体力消耗

勝利への執念で11年振りベスト4

 

不安視されていたスクラムだが、前半6分のファーストスクラムでは早稲田がアーリープッシュの反則を取られたし、同志社としては押せなくても押されないスクラムを目指していたように思う。ただ、ゲームが進むにつれてFWにも疲労が溜まり、スクラムが少しずつ不安定になっていったように思う。そして前半26分、同志社ゴール前のスクラムで同志社はコラプシングの反則を取られ、その際、再度同様の反則があった場合は厳しく対応するとレフェリーから警告を受ける。

そういう一抹の不安を抱いたまま後半戦を迎えるが、開始早々、早稲田のミスからボールを得た同志社がSO永富~HO中尾~左FL丸山とつないでトライ、ゴールも成功し40-0と更にリードを広げる。その後は一進一退の展開となるが、12分、早稲田はラインアウトからモールで同志社ゴール前に迫り、最後はHOがトライ、ゴールも成って40-7。このあたりからセットプレーのディフェンスは前半同様厳しさを感じさせるものの、2次3次攻撃に対しては前に出るスピードが緩み始めたように思うが気のせいか。そして、最大のピンチが訪れる。後半20分、コラプシングの反則を取られ、右PR海士がシンビンで10分間の退場となる。同志社はこの時点から7人でスクラムを組むこととなるが、元々平均体重で下回る同志社FWの負担は相当大きかったものと思う。

直後の22分、早稲田はキックパスを試み、それを受けた左WTBがトライ、ゴール成功し40-14。更に25分にはスクラムから出たボールを右サイドに展開し、右WTBがトライ、40-19とする。30分に海士が復帰するまで、計5回のスクラムがあり、攻守両面でFWの展開が遅くなることにハラハラドキドキする時間となったが、救いは同志社の選手たちが全く闘志を失わなかったことだろう。ディフェンスで前に出るスピードが戻り、何度か早稲田のミスを誘っている。34分、海士が戻った8人のスクラムでNO.8末永からSH大越にパスして右サイドを突き、その後のモール攻撃で早稲田ゴールまで前進し、最後は左CTB永富がトライを上げている。ゴールも成って47-19。

残念なのは、その後の6分間が防戦一方になってしまったことだ。結果として2つのトライを早稲田に奪われ、47-31というスコアにしてしまったが、早稲田の選手に再三ゲインを許したのは選手の前に空間を与えたからかなと思う。14人での戦いで疲労もピークに達していたのかなと思うが、これからのゲームは、文字通り全力を尽くし、ノーサイドの笛と同時に倒れ込む程まで体力と気力を使い切らないと勝てないように思う。そういう意味で、後半の後半も前半同様の潔く迷いのない戦いぶりを見たかったように思うが、それは正月の楽しみに取っておこう。

正月に秩父宮で声援を送れるチャンスを与えてくれた後輩たちに感謝。そして、共に秩父宮で応援下さる校友の皆様に感謝。1月2日は声高らかにカレッジソングを歌いたいと思う。