演奏に戻られたコーロ・カステロは、外国の歌を続けて6曲歌われたが、「ハワイ結婚の歌」にはウクレレ、ギター、波の音を出す楽器が登場し、メンバーの首にはレイ、中にはアロハシャツを着た方、更には女装のテナーが花嫁姿で登場され、目にも耳にも賑やかな舞台となった。コーロ・カステロの旺盛なサービス精神を象徴していたように思う。それにしても、あのテナーの方の高い声はどこから出るのだろう。

 

胸にジーンと来たのは「Old Folks at Home」(故郷の人々/スワニー河)で、1954年の第1回コンサートでも歌われたとのことだったが、哀愁漂うハーモニーに見事な強弱と緩急が付き、途中から目を閉じて聴かせて頂いた。とても良かった。

 

「Tramp, Tramp, Tramp」は私が初めてコーロ・カステロのコンサートにお邪魔したときに聴いた曲だが、実は我が母校、同志社の応援歌と同じメロディーなのに驚いた記憶がある。どうやら、元々はアメリカ南北戦争の時代に北軍を鼓舞する曲として生まれ、これが北軍に従軍していたクラーク博士により日本に伝えられ、北大では校歌となり、同志社では応援歌となったらしい。歌詞は異なるが、この曲を聴くと元気が湧く。選曲に感謝。

 

驚いたのは「White Christmas」だ。指揮者である高嶋先生の独唱を初めて聴かせて頂いたのだが、力強いのに伸びやかで、とても柔らかな歌声にびっくりしてしまった。高嶋先生には失礼だが、こんなにお上手だとは思わず、最後まで大きく目を見開いたまま聴かせて頂いた。さて、この歌は太平洋戦争開戦の翌年、1942年にビング・クロスビーが歌い、故郷への郷愁にかられた前線の兵士から軍ラジオ局にリクエストが殺到したとのこと。そういう兵士の気持ちが分かるように思える、素晴らしい演奏だった。 

 

ここで、コーロ・カステロは一旦舞台から下がられ、成城大学合唱団が3曲、コール・ブルグが3曲、それぞれ歌を披露された。成城大学合唱団の「テルーの唄」は女声のみの合唱で、ユニゾンの部分がとても美しかった。その後、男性が加わり、「もののけ姫」と「となりのトトロ」を歌われたが、若くてみずみずしい歌声が印象的だった。コーロ・ブルグはジョン・ラターの作品から2曲、それからヴェルナー作曲の「野ばら」を歌われたが、感情を込めるという点で、学生の直ぐ後だったこともあり、熟練の味を感じさせたように思う。

 

(続く)