今年も伊藤忠サマーコンサートを聴きに行った。元々は伊藤忠商事東京本社のロビーで開催されていたニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル(NYSE)によるコンサートだが、年々、聴衆が増えてロビーでは収容しきれなくなり、昨年からサントリーホールで開かれるようになった。

伊藤忠サマーコンサート

このコンサートの素晴らしいところは、地元東京の高校からオーケストラを招き、NYSEと一緒に演奏する機会を与えることだ。参加できる高校生にとっては新鮮な刺激や大きな感動を得るイベントになるに違いないし、会場がサントリーホールであることを考えると、終生忘れられない貴重な思い出になることと思う。

さて、今年は東京都立三田高校の管弦楽団と合唱団が招かれ、総勢100名近い高校生が参加していた。NYSEに彼ら高校生が加わり、チャイコフスキー作曲の祝典序曲「1812年」が演奏されたが、高校生による美しい合唱から始まり、これに弦楽器の重厚な響き、管楽器の華やかな音色が続き、素晴らしい演奏になった。圧巻は腹の底に響き渡る打楽器(バスドラムという名前か?)の迫力ある音で、聞けば祝典で放たれる祝砲を意味しているのだとか。まさに大砲級の響きで、何か眠っていた本能が呼び覚まされそうな気がした。

アンコールに応えてのエルガー「威風堂々」も素晴らしかった。なかなか拍手が鳴りやまなかったが、高校生のホッとした笑顔が印象的で、又、それを見守るNYSEの笑顔も素敵だった。大人たるもの、こういう風に若者にチャンスを与え、見守り、努力や結果に対してはきちんとねぎらう姿勢が必要なのだろうと思った。