後半4分、同志社は慶應陣に深く攻め込み、連続攻撃で何度かゴールを脅かす。そして、いよいよトライかと期待した瞬間、インターセプトでボールを奪われ、チャンスを逸してしまう。詰めが甘いという指摘もあったが、ディフェンス側からすれば同志社の前進が止まり、ボールとボールをパスする選手、貰う選手が全て丸見えという状態だったのだから、チャンスにも拘わらず同志社の頭数が少し足りなかったということだろう。又、10分には自陣ゴールライン上で受けたキックからカウンターアタックを試みるが、これも同志社の頭数が足りず、結局22Mラインでの慶應ボールスクラムになってしまう。そこからトライを奪われるので、結果論だが、確実にタッチに蹴り出しておいて良かったのかなと思う。ゴールも成功し、12-21。

情けないのは、その直後の12分にキックオフのボールからノーホイッスルトライを奪われたことだ。数えてはいないが、何人の選手がタックルに飛び込んだのか興味がある。目では追うが足の止まっている、すなわち、ボールを持つ敵にタックルするという本能を忘れていた選手が多かったことは情けない。ゴールも難なく決まり、12-28。その後は一進一退が続くが、同志社が同志社らしくなったのは35分に一つトライを返して17-28としてからだと思う。この頃からやっと同志社のBKが前で慶應に当たり、フォローを受けた選手がゲインできるようになった。一緒に観戦していたK野先輩の表現を借りると「パスを回すだけだったBKがやっと前に出るようになった」。

37分にはセンターラインのスクラムから右サイドを突き、その後、連続攻撃でゲインを重ねるが、前に出るパワーがディフェンスラインを押し下げ、優勢なラックやモールからは良いタイミングでボールが出てくるから、絵に描いたような連続攻撃からトライを奪うこととなった。22-28。最初からこういう攻め方をしていればと残念に思う。現役時代、「真っ直ぐ走れる選手が上手い選手」と言われ、又、「ゲームの最初の10分は意識して当たれ」と教えられたが、それを実証し実践したのは慶應で、よそ行きのラグビーをしてしまった同志社にやっと攻撃のリズムができ始めたころには時間切れというゲームだったのかと思う。救いはトライ数が同じであること、後半35分からの攻撃で二つのトライを奪えるパワーがあったことか。

尚、同じ日に早明戦が鹿児島で行われている。早稲田は慶應に5-57、同志社に0-36で敗れているから、明治にも一方的にやられるかと心配する声が多かったのだが、予想に反し、早稲田が19-24と善戦している。これが大学ラグビーの面白いところだろう。学生は変化する。しかも、ラグビーは15人という大人数で戦うスポーツだから、チームとしての変化も大きい。その変化を進化というなら、夏合宿から秋のシーズンを経てどこが一番進化できるかが勝負だろう。一人ひとりの努力もさることながら、いよいよ指導者やキャプテン、ゲームリーダーの存在が重要になって行くと思う。