ロシア編は「赤いサラファン」から始まった。アコーディオンの山下さんがいきなり哀愁たっぷりの音を出され、それだけで私の胸はキュンとしてしまったのだが、テノールの朝倉さん、工藤さんの歌声にも哀愁が漂い、又、リズムや間の取り方が絶妙で、一曲目から深い溜め息を付いてしまった。

二曲目の「黒い瞳」では、前奏だけで心が揺さぶられ、その後の高嶋さんの伸びやかで艶のある歌声に思わず目を閉じた。素晴らしい演奏だった。三曲目の「カリンカ」は舞台の熱い思いが観客席に伝わってきて、自然に手拍子が起こっていた。テノール鈴木さんの張りのある歌声と少しずつ早くなっていくリズムに最後は皆んなノリノリだったように思う。

「ステンカ・ラージン」はコーロ・カステロの定番だと思うが、今回の演奏ではテノール鈴木さん、アコーディオン山下さんの円熟の味が炸裂という感じだった。個人的な好みだろうが、ステンカ・ラージンは男声合唱団で歌って欲しい曲だし、キレイに歌うのではなく、男の歓びや哀しみや体温が感じられる方が良い。だから、コーロ・カステロが歌うステンカ・ラージンが好きだ。

最後の曲、「麦の歌」は成城大学の学生さん達とコーロ・カステロが一緒に歌われたが、美しい女声の高音を男声が下でしっかり支え、素晴らしいハーモニーだった。又、青い麦の学生さん達と黄金の麦のコーロ・カステロが入り交じって歌われる舞台は和やかで年齢を超えた一体感があり、成城学園が素晴らしい学校であることを強く感じさせられた。

DVDでの鑑賞だと拍手ができない。やはり、コーロ・カステロのコンサートはナマで聴きたいと思う。