第三部はコーロ・カステロのステージだったが、大学生の皆さんの後だったこともあり、最初に歌われた「僧侶の合唱」など正に「オトナの歌声」とでも言おうか、強い意志や自信を感じさせるベテランの味だったと思う。

次の「野ばら」も、シューベルト、シューマン、ヴェルナー作曲の「野ばら」を続けて歌うという面白い企画で、強弱や緩急の差を付けてそれぞれの「野ばら」を演出されていたが、こういう試みはベテランじゃないと難しいように思う。要するにここ一番の集中力やサビの理解、感情移入という面でベテランには良く言えば上手さ、悪く言えばズルさがある。これはラグビーにも通じるところがあり、ベテランにはピンチやチャンスのときにだけ起動するターボエンジンがあり、それ以外の局面では上手く手抜きして体力を温存している(笑)

その後もドイツの歌が続くが、「春の歌」は少しずつ少しずつ気持ちが昂ぶってくる歌で、聴いている内に本当に春が待ち遠しくなって来た(笑) 歌の最後は「春の喜び」という歌詞だったように思うが、私は寒がりで冬が苦手なので、早くその喜びを味わいたい(笑)

植村さんがフルートで演奏された「シシリアーノ」は優しくて透明感のある音色でうっとりした。次の「白鳥」は普段チェロで聴くことの多い曲なので、どんな演奏になるんだろうと思っていたのだが、軽やかで優雅で上品な音色に再びうっとりした。そして最後に演奏された「わらべうた」は親しみのある音色と良く知っているメロディーに気持ちが和み、安らかな気持ちになった。

そして、いよいよ第三部後半のロシアの歌が始まった。

(続く)