宮地先輩がダッシュしてN村のもとに駆け寄られる様子を見て、誰もがこう思った。

「宮地先輩はあんな怖い顔をしたはるけど、ホンマは優しい先輩なんや。」

牛殺しの練習で少しすさんだ気持ちになっていた私など、その様子を見て感激し、ちょっとウルッとまでしてしまった。

ところが、宮地先輩はと言うと、倒れていたN村の傍らをサッサと通り過ぎると、そのままゴールポストまで駆け寄り、ちょうどN村が頭をぶつけたゴールポストのポールを手でさすると、「おおっ、ゴールポストは大丈夫や!」とおっしゃったのだ(笑)

これには練習を見ておられたOBが大笑い、その後、一瞬間が空いて、私たちも大笑いしてしまった。不思議なもので、暗かった雰囲気がガラッと変わり、新たな気持ちで練習を再開できたことを覚えている。今になって思えば、嫌々練習している私たちに気付き、宮地先輩は誰も傷付かない方法で「喝」を入れられたのだろう。

多くのOBと接し、私自身もOBとしては年長者の部類に入ってきたが、同志社のOBの中で一番愛情豊かで人に優しいのは宮地先輩だと思っている。

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