インタビューに応え、イチロー選手が「二度と投手の悪口は言わない」と言って記者たちを笑わせている。野球のセンスだけではなく、ユーモアのセンスも抜群のようだ。イチロー選手に限って他のポジションの選手を悪く言ったりはしないだろうが、この「悪口」、団体スポーツでは良くあることだと思う。

かくいう私も、走らせれば私より鈍足、しかもパスが下手で時々ノックオンまでする当時の第一列のことを良くからかった。「お前ら、走るより転がった方が速いんとちゃう?」、「パスが下手やなぁ。まぁ、僕らは手を使うけど、君らは前足を使っているんやから仕方ないか」等々、好きなことを言わせて貰い、ラグビーを知らない人には「背番号1番から3番は動物です」と説明した。

ところが、何かの拍子にスクラムの練習で第一列に入らされた。もちろん1番3番ではなく、フッカーと呼ばれる2番だったが、最初のスクラムで息が詰まった。頭が真っ白になったが、2回目3回目位になると息が吸えなくなり、5回目位で悲しくもないのに涙が出てきた。 2番でこれだとしたら、1番3番は一体どれほどの圧力を前後から受けているんだろうと思い、気が遠くなった。

その経験から、私も2度と第一列の悪口は言うまいと心に誓った。以後、ラグビーを知らない人には、「スクラムを最前列で組むFW第一列は大変です。前にいる敵だけではなく、後ろの味方からも物凄い圧力を受けるんです。普通の人間には絶対に務まりません。背番号1番から3番は動物です」(笑)