伊藤忠サマーコンサートに出掛けた。

昨年までは「ロビーコンサート」と称され、伊藤忠商事の東京本社ロビーで24年前から開催されてきたものだが、毎年着実にファンが増え続け、ついにロビーでは収容し切れなくなって場所をサントリーホールに移したとのこと。かく言う私も5年前、敷居の高かったクラシック・コンサートが会社のロビーで催されると聞いて気楽に聴きに行き、以後、その感動が忘れられず毎年お邪魔するようになっている。

伊藤忠サマーコンサート

出演は今年もニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルで、最初にコンサートマスターのバイオリニスト、ゲオルギィ・ヴァルトチェフさんがモーツアルトのバイオリン協奏曲第3番ト長調を最初に演奏された。素晴らしい音色で、こういう演奏を聴くと私に当たってしまったバイオリンに申し訳なくなる。私などバイオリンが持っている力の10%も引き出せていない。

トランペット奏者、シシル・マタイさんが演奏されたフンメルのトランペット協奏曲変ホ長調もお見事で聴き惚れてしまった。ヴァルトチェフさんのバイオリン同様、よくぞこれだけ様々な音色が出せるものだと感心する。多分、素晴らしい奏者とは、技術だけではなく豊かで繊細な感情の持ち主なんだろう。

しかし、今回のコンサートで最も感動したのは、都立青山高校オーケストラ部とニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルが一緒になって演奏したヴェルディのアイーダ「凱旋行進曲」とエルガーの「威風堂々」だ。 演奏者が増えて音に厚みが出たこともあるのだろうが、高校生たちが一所懸命演奏している姿が実に爽やかで、一方、それを気遣いながら温かく見守っているかのようなプロの奏者たちの目が素敵だった。

サントリーホールで演奏できた高校生はラッキーだと思うが、若者たるもの、与えられたチャンスには積極的に挑むべし。又、大人たるもの、そういう若者を温かく迎え、見守るべし。そう教えられているような気がした。