浜先生がアイスランドの金融危機について書いておられた。

アイスランドは人口30万人の小さな国だ。1990年代、アイルランドの経済特区の成功例を参考に、漁業立国から金融立国への転換を図って金融の自由化を進める。インターネットバンキングの手軽さや年利6%という高金利が受け、ヨーロッパ各国から預金が集まる。特にイギリスからは30万人の個人、100以上の地方自治体が預金を行ない、総額40億ポンド(6000億円)もの大金が移動することになる。預金者にはオクスフォードやケンブリッジという名門大学も名を連ねていたらしい。

更には、低金利のドイツ銀行などから資金を借入れ、ハイリスク・ハイリターンのレバレッジの効いた取引を繰り返す。その結果、2006年には国民一人当たりのGDPで世界第3位(日本は18位)にまでランクを上げるが、2008年9月のリーマンショックでたちまち資金繰りに窮し、金融危機が起こる。アイスランド政府は非常事態を宣言するが、「銀行と共に国家も破産の危機にある」と当時の首相が発表したとある。慌てたイギリスは「反テロ法」まで適用し、イギリス国内にアイスランドの銀行が所有していた資産を差し押さえたというから、大変な騒ぎになった訳だ。

驚くべきことに、そういう危機が起こるまで格付け機関はアイスランドの銀行に「AAA」(トリプルエー)を付けていたらしい。「赤信号みんなで渡れば怖くない」には未だ多少の罪の意識や警戒心が感じられるが、格付け機関の「AAA」は青信号に見えたことと思う。

(続く)