複数の盲人が象の一部だけを触り、「象とはこういうものだ」と語り合う。しかし、触るところによって形が異なるから、それぞれの言い分が食い違い、やがて意見の対立が始まる。良く知られたインド発祥の寓話だ。

この話を思い出したのは、勤務先の会議で全く想像もしていなかった意見を聞いたからだ。私は元々営業畑で、儲けさせてくれる取引先を探し出し、そこと密接に取組むことで利益を上げるという成功体験を持っている。だから、「ここ」と思える取引先が出てくると一所懸命口説きに掛かるし、相手がその気になってくれたときには誠心誠意相手のために尽くす。一定期間お互いに相手を束縛し合う「ライセンス」と呼ばれる契約ビジネスだから、そういうやり方が通用し、成功率を高めたのかも知れない。

しかし、同じ営業畑でも物販が担当だと取引先をみる視点が違ってくるし、これが財務や法務担当になると、全く考えもしなかったポイントを突いてきてドキッとさせられる。それらの中には、なるほどと思わせる指摘もある反面、心配し過ぎでしょうと言いたくなる意見もあるが、私みたいな直情径行型の営業マンがいる場合には、そういう心配性の人がいてバランスが取れるのだろう。

ただ、象を触って象を語る場合は「現実」だけの問題だが、ビジネスについて語る場合は2年後、3年後にどうなっているかも想定しなければならない。これが実にややこしい。

光
(東大キャンパスを散歩中に見た「光」。目が見えて幸せだと思った)

(続く)