精神科医の斎藤茂太さんは随筆家でもあり、真理を短い言葉で言い表すのが実にお上手だと思う。以前、なるほど、その通りかも知れない、と思った言葉にこういうのがある。

「人生に失敗がないと、人生を失敗する」

失敗せずに学べればと願うが、これまでの人生を振り返ると、失敗したときに最も謙虚になって学び、その教訓を最も深いところの記憶に刻み付けているように思う。その斎藤茂太さんが、お金についてこんなことをおっしゃっていた。

「お金はお金に寄ってくるが、夢にはもっと寄ってくる」

お金の本質を見抜いた見事な分析のように思う。お金は臆病なくせにロマンチストで、明るい未来を夢見ることが大好きなんだろう。だから、たくさんのお金が集まって明るい未来を夢見ていると聞くと、更にそこにお金が集まってくる。これがバブルで、逆に、何かの拍子に臆病に戻ってしまったお金が一気に逃げ出すのがバブル崩壊なのかなと思う。

その臆病なくせに明るい未来を夢見がちなお金を今も世界中で刷りまくっているから、これからも世界のあちらこちらでバブルとその崩壊を引き起こすに違いない。幸か不幸か、私にはそういうバブルやバブル崩壊に巻き込まれる資産がないが、お金がどこに向かうのかには大いなる興味がある。この際、私自身が「臆病なくせにロマンチスト」になり、お金の行き先を探ってみるか(笑)