結局、私に声を掛けてくれた店員さんが商品棚まで私を案内して一緒に商品を探し、別のサイズや色も試してみたいと言うとそれらを探してフィッティングルームまで持参し、最終的には裾上げのピン留めまで私に付き合ってくれた。こういう親切な接客を予想していなかったので、ユニクロの印象が一気に良くなった。

その後もサプライズは続く。裾上げに一時間掛かると言われ、ピッタリ一時間後に商品の引渡しカウンターに戻ってきたのだが、その横にあったレジにお客さんの行列が出来るとどこからともなく店員さんがやってきて新たなレジを開ける。お客さんが瞬く間にさばかれ、行列が無くなると、いくつかレジが閉まって店員さんが消える。こういうのを臨機応変というのだろう。

更に、その光景を感心しながら見ていた私が余程手持ち無沙汰に見えたのか、一人の店員さんがやってきて、「ご用件をお伺いしていますか?」と丁寧な言葉遣いで私に聞いてきた。これにもビックリしたが、こういう目配りや心遣いはマニュアルや研修で教えられるレベルを超えているように思う。要は、一人ひとりの感受性や当事者意識、情熱が如何なく発揮されているということだろう。

ユニクロについて私があまりにも無知であっただけかも知れないが、ともかく、この日はユニクロの進化に衝撃を受け、その興奮を伝えようと取引先の方に早速思うところを話した。

ボル 「ユニクロ、凄いです」
取引先 「どうされました?」
ボル 「かくかくしかじかで・・」
取引先 「フムフム、確かに注目すべき進化ですね」
ボル 「進化の原動力は何でしょう?資金力?企画力?指導力?」
取引先 「いや、多分、宣言力、でしょう」
ボル 「宣言力?」
取引先 「はい、多分、うん、間違いない」

その方曰く、柳井社長が「売上を5兆円にする。世界一のアパレル企業にする」と宣言されたことが、社員の人たちには「実現できる」「実現してみたい」目標として自然に受け止められたのだろうとのこと。なるほど。 又、社員だけではなく、そういう宣言を聞いて共に大きく成長したいと望む取引先も出てくることだろう。そういう力が結集すると、虫眼鏡で太陽の光を集めた時のように、ものすごい熱量を持つに違いない。そう考えると、企業の成長に一番初めに必要となる力は、その未来を分かり易く言い切る「宣言力」なのかなと思えてきた。

私も進化したいなら、何か宣言した方が良さそうだ。
「誰とも違う。1ヶ月前の自分とも違う」というのはどうだろう?