5月16日は「旅の日」だったようだ。

そう定められたのは、松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出立したのが元禄2年3月27日、新暦では1689年5月16日に当たるからだそうだ。その芭蕉が残したと言われる「不易流行」という言葉にはいくつかの解釈があるとのことだが、その一つに「変わっていくことが、永遠に変わらない真理である」とするものがあった。

これに近い言葉をギリシャの哲学者、ヘラクレイトスが残している。英語では "The only constant is change" と紹介されているので、「唯一不変なことは、変化するということだ」になるのだろうか。すべてのものは変化する、その真理だけは不変だ、という意味なら、芭蕉とヘラクレイトスは異なる時代に異なる場所で全く同じことを言っていたことになる。

しかし、変化しないものはない、すべては変化する、と最初に説かれたのは「諸行無常」のお釈迦様だろう。ひょっとすると、お釈迦様の思想がギリシャにまで伝わったのだろうか。いずれにせよ、紀元前の昔から、人間にとって「変化する」ということは時に受け入れ難いことであったり、気付くのが遅くなったりする真理だったのだろう。

そんな中、周りの変化のことより自分自身を変化させろとハッパを掛けている人がいた。ウィンストン・チャーチルだ。 "To improve is to change, to be perfect is to change often" 「向上とは変化することだ。完全になるとはしばしば変化するということだ」。

変化しないでどうするんだ、完全でいたければ変化を続けるしかないだろうとは、全くせわしない話だが、自他ともに認める変化は老化だけ、という人生は避けたいと最近強く思う。