私には偏頭痛も胃痛も肩こりもない。

生まれてこの方、経験した痛みと言えばラグビーでの負傷くらいのものだから、現役引退後はほとんど痛みとは無縁の生活になった。なので、周りに偏頭痛や胃痛を訴える人がいてもピンと来ない。胃痛とお腹が痛いは違うらしいのだが、その違いも分からない。

ところが、歯だけはときどき痛む。「寝たら治る」が母の口癖で、できるだけそれを実践してきたが、歯だけは寝ても治らない。今回も覚悟を決めて歯医者さんに行ってきた。

歯医者さん

たかだか歯一本のことで大の大人が弱音を吐くのはみっともないが、痛みを感じると、ずっと生きている間中、この痛みから解放されないように思えてきて気が重くなる。気分を変えようとテレビなど付けてみると、今度は「この人は今日、歯医者さんに行く必要のない人や」とか「この人は普通に食べることができるんやろな」と羨ましくなってくる。まったく自分のことながら情けない。

「我が身をつねって人の痛みを知れ」ということわざがある。これまで、周りに痛みを訴える人がいても「そういう痛みから私は無縁で本当に良かった」としか思わなかったが、これからは今日の痛みを思い出し、心から同情できるようになりたいと思う。周りの皆さま、今ごろ気付いてすみません!