「東京直下型地震は必ず来る!そして、世界大恐慌が起こる!!」

本の帯に挑戦的な文字が躍るが、実にリアル感たっぷりの小説だった。主人公は森崎という国土交通省の官僚だが、世界を代表する格付け機関のトップにこう語りかける場面が出てくる。

「あなたがたが日本に抱いている危惧の第一は、日本が一千兆円を超える巨額の債務を抱える国であること。二番目は国債の暴落の危惧です。三番目は、政府がそれらに対して有効な対策が打ち出せないこと。常にこの三つを挙げています」。

これら三つの危惧は作り話ではなく「現実の話」だろう。そういうところに東京直下型の地震が起こったらどうなるのか。日本の首都であり、さまざまな機能が一極集中する東京の崩壊は日本の崩壊につながり、日本の崩壊は大きな市場や巨額の債権を持っているが故に世界大恐慌を引き起こすことになるのだろうか。森崎は悩む。そんな最中、震度6の地震が東京を襲い、混乱を来たした日本の国債や株価の下落、円安が現実のものとなっていく。しかし、もっと大きな地震が発生するという予測が・・・。日本は一体どうなるのか。

首都崩壊

三つの危惧と大地震という前提条件がリアルなだけに、冒頭から緊迫感のある場面が続く。しかも、出てくる政治家や官僚、新聞記者が等身大に描かれているので、実際に大地震が東京に起こったらこうなるのかなという生々しい想像までしてしまう。

読み応えのある一冊。
著書である高嶋哲夫さんによる日本再生シナリオとも読める。