今年、最初に読んだ本は「脳はバカ、腸はかしこい」という、脳が聞いたら怒りそうなタイトルが付いている。私の脳は怒りはしなかったが、「どういうことやねん?」という疑問を持ったらしく、数分の立ち読みを経て購入した。著者の藤田紘一郎先生は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学では高名なお医者様とのこと。

本

なるほど、と思える具体的な話がいくつも出て来るが、そもそも生物に最初に備わった臓器は、脳でも心臓でもなく腸だったそうだ。生物の歴史が40億年だとすると、脳の歴史はせいぜい5億年で「私たち人類は歴史の浅い脳をうまく使いこなせていない」とのこと。結果として脳は時に暴走し、私たちの健康を害したり、地球を汚染するようなバカをしでかしているという訳だ。

これに対し、腸は歴史が長い分、人類のことを知り尽くしていると先生はおっしゃる。例えば、脳は食べ物が安全かどうかを判断できないから、空腹なら取りあえず「食べろ」と指示を出す。その結果、腸内に危険な物質が入って来ると、腸が激しい拒絶反応を示し、脳に「胃から吐き出せ」という命令を出させる。同時に、脳を介せず下痢という手段で体内から危険な物質を排泄しようとするとのこと。腸は私たちの安全を守ってくれていた訳だ。

(続く)