自宅の近くに社会福祉法人が運営する福祉施設がある。高齢者や知的障害者、母子生活を送っている人たちを支援するための施設で、キリスト教精神を基に運営されている。その施設と私たちの合唱団「うたおう会」の交流が深まり、いろんな行事に呼んで頂けるようになった。
そして、昨日は施設の正面にある大きなクリスマス・ツリーへの点灯式に呼ばれ、讃美歌を歌うこととなった。真っ暗な中、ロウソクに火を灯し、「もろびとこぞりて」と「神の御子は」を歌う。
その後、施設に暮らす皆さんと一緒に「きよしこのよる」を歌い、子供たちの代表がスイッチを入れ、クリスマス・ツリーが点灯された。子供たちのワーっという歓声がとても可愛らしかった。
そのイベントの間に、印象に残るできごとがあった。讃美歌を歌うために並んでいた私たちのところに、施設に入居されていると思われる老婦人が来られ、「一緒に歌う」と私たちの列に入られたのだ。そこに私たちの指揮の先生が来られ、優しく「あちらで讃美歌を聞きましょうか?」とおっしゃったのだが、老婦人は「一緒に歌う」とお答えになる。
その話し方から、少し痴呆が入っておられるのかなと思ったのだが、指揮の先生はどうされるのだろうと心配になった。が、その心配をよそに、先生は再び優しくこう声を掛けられたのだ。
「そうですね、一緒に歌いましょう」
それを聞いて胸がジーンと熱くなった。気が付くと、メンバーの一人が老婦人の肩を優しく抱いておられる。なんという温かな光景。老婦人も昔は聖歌隊で讃美歌を歌っておられたのだろうか。そんな想像をしながら、点灯式に呼んでもらえたことに心から感謝した。

