貿易収支が14ヶ月連続の赤字となった。
かつては巨額の「貿易黒字」を叩かれ、アメリカで日本製のラジカセや自動車がハンマーで壊されるというショッキングなパフォーマンス映像が日本のTVニュースに流された。「隔世の感がある」とは正にこのようなことを言うのだろう。
円安になれば輸出が増える、は間違いではないのだろうが、一方では輸入コストが上昇し、価格が高止まりしている原油の輸入などで輸入額が増えている訳だ。ものごとは簡単ではないし、例えば原油の円建て価格が高くなってしまったことを考えると、円の価値が下がることのダメージを無視できなくなる。
アメリカは金融緩和縮小を見送ったし、日本も負けじと金融緩和を継続する。しかし、この金融緩和とは分かりやすく言えば「紙幣の大量生産」なんだから、時には大量生産されてしまった野菜や食品や靴下がどうなるのか思い出すべきだろう。
貿易収支は赤字でも、日本にはまだ配当や金利という所得収支がある。ただ、この所得収支の源は貿易黒字があって獲得できた海外の資産だ。そう考えると、単純に円安を是認することの危うさを感じてしまう。