この本は日下公人さんと森脇純夫さんの対談という形で進んでいくが、お二人はインドが世界の中で日本より存在感のあることに注目し、その理由を分析されている。
①軍事戦略について。
中国を意識して5000キロ射程の原子力搭載可能ミサイルを開発したり、ロシアから古い原子力潜水艦を借り、海軍力アップをPRしたり、フランスからラファール(戦闘機)126機を購入してEUとの関係にも配慮したり、アメリカの本音である「膨大なお金を要する軍隊をアジアから撤収したい。しかし、中国が怖いので、是非インドに見張っていて欲しい」を察知してアメリカとの関係を強化したり・・・と自らの置かれた環境や状況を冷静に分析し、相手に合わせた対応をしている。
②原子力発電について。
電力の不足するインドにとり、原子力発電は魅力的な解決策。しかし危険を伴うので、そのリスクを軽減するには日本の技術力が不可欠と判断、日本と原子力協定を結ぶことが十数年の懸案となっている。そのインドでは、日中関係の悪化こそ日印関係の強化に絶好のチャンスという声も出ているとか。それを実証するかのように、先日、安部首相との間で原子力協定推進の確認や、インドの新高速鉄道(新幹線)計画の共同調査の合意があったと報じられている。
まさに全方位外交で、相手の痛いところを優しく突っつく。日本も中国や韓国との関係がギクシャクしているから、インドがより重要な国に見えてくる・・・・そういうさり気なくもタイムリーな登場と、相手の最も強いところを引き出そうというしたたかさがインドにはあるのかも知れない。
「インド人は高邁な宗教哲学を極め、高等数学を理解することに努めながら、実は現実主義者。きちんと回りに目配りして対等性を保っている」(森脇氏)。そのインド人に比べると、我が日本人は・・・・このお二人は「アメリカの優等生ですから」とバッサリ斬っておられるが、確かに、どこか大事な問題を他人任せにする癖が付いているのかも知れない。
米中首脳会議が行なわれ、オバマ大統領が「日中関係の緊張緩和を」と呼び掛けたらしいが、ちょっと見る角度を変えれば、日本と中国は米国債の大量保有国だ。もし、日中が緊張緩和どころかすっかり意気投合し、米国債の売却を謀議でもすれば米国こそ困るだろう。インド人が日本の外交顧問だったら、そういうプランも考えるのかしらん((((((ノ゚⊿゚)ノ