ラジーブ・ガンディー元首相が、「自分の州の言葉で大学を作っていい」という教育制度改革を実施してから、インドの教育レベルが向上したことは間違いない。又、州の立場から見れば、中央政府に州の独自性を認めさせた快挙とも言えるが、実際、インドでは州の力がとても強いようだ。それを示す逸話が紹介されていた。
2012年5月6日、フランス大統領選の結果が出る日だというのに、米国務長官だったヒラリー・クリントンがインドを訪問し、国家元首をすっ飛ばして、西ベンガル州の女性首相を訪ねている。西ベンガル州の州都はインド第3の都市コルカタ(カルカッタ)だから、日本で言えば、首相を飛ばして愛知県の県知事に会いに行くような感じだろうか。
当時、アメリカはインドに対し、「イランからの石油輸入削減」を要求していたが、これに反対する急先鋒が西ベンガル州の女性首相だったようだ。同首相の言い分は、「イランからの輸入を削減し、石油が値上がりした場合、中央政府は面倒を見るのか」で、これに同調しそうな州が他にもあり、中央政府としてはお手上げ状態だったらしい。それを見越してインドの一つの州である西ベンガル州に直接乗り込むアメリカの外交力もすごいと思うが、結局、西ベンガル州は会談を物別れにさせている。それもすごいと思う。
最終的には、インドの中央政府がアメリカに同調してイランからの石油輸入削減に応じているが、その一方でイランに対し、「イランとインドの関係は昨日や今日できたものではない。イランにはインド人のコミュニティーがあるし、インドにはイラン人がいっぱい来ている。私たちがイランを裏切るようなことはしません」というようなメッセージを送ったそうだ。このしたたかさ、さすがだと思う。