勤務先の同じフロアに「お客様相談室」というセクションがある。


商品やサービスに対する苦情が寄せられたり、商品や店舗に関する問合せがあったり、実に様々な声が届けられる部署だ。そのお客様相談室が月に一度、どういう声が届いたかという一覧表を作成し、回覧してくれる。今後の商品開発やサービスの改善に生かせということだろう。


一覧表には「商品クレーム」や「サービスクレーム」という、思わず緊張する項目が並んでいるが、中に「お礼」という欄があり、件数は問合せやクレームより少ないものの、お客様から頂いた感謝の言葉が紹介されている。わざわざお客様がお礼を言って下さるとは有り難いことではないか。


一つは、お母様の形見という傘が古くなったので、同じものを買いたいと問合せをしたところ、既に生産を中止していた商品だったのだが、あちらこちらの在庫を調べ、色違いだが同じものを探して下さって嬉しかったという内容。お客様から丁重なお礼状とお菓子が届いていた。


もう一つは、一昨年の3.11大震災が発生した時、たまたま当社のお店に居られたというお客様からのもので、その時ご一緒だった幼いお子さんに当社の販売員は優しく声を掛け、怪我をしては大変とコートを頭から掛け、更にその上に覆いかぶさってお子さんを守ろうとしたのだという。


これを読んだときには頭をガツンと殴られたようなショックがあった。私にはとてもできないことだし、事実、私はオフィスで右往左往するだけだったのだから。私たちがコーヒーを飲みながらオフィスで仕事をしている間に、こういう販売員の人たちが、文字通り前線で、当社の信用を支えてくれているのだろう。感謝。


数は少ないが「お礼」を読むとホッとする。そして、こういう「お礼」が寄せられている間、その会社は大丈夫だと思えてくる。