日銀副総裁に就任された岩田規久男さんの言葉だったと思う。
「デフレの最大の問題は(物価下落の継続で)モノに比べてお金の価値が上がった結果、企業がお金を使わずに溜め込んでいること。強力なインフレ予想が広がれば、企業も今後はお金の価値が下がると見て、投資などに動き出す」。
デフレについて語り始めたら、恐らく本2冊や3冊は直ぐに書ける方だろうから、上の言葉はエッセンス中のエッセンスを抜き出されたものだと思うが、どうしても「お金の価値が上がった結果、企業がお金を溜め込んでいる」というところが引っ掛かる。
お金を溜め込んでいる企業が確かにあると思うのだが、それはお金の価値が上がっているからではなく、これから先どうなるか分からないという不安と、これで儲けるぞという欲を満たす対象がないからではないか。所詮、人間は欲張りなくせに臆病で、その狭間で折り合いをつけてお金を使っているように思うのだ。
だから、溜め込んでいるお金を引き出すには、人の臆病さを吹き飛ばすような新しい商品や魅力的なサービスが出てこないといけないのかなと思う。そういう意味では、これまでの経済、社会、ライフスタイルが変わるぞという興奮を与えるような動きが次々に出てくればと望む。
そういう興奮がなく、人々が臆病さを克服することができなければ、、結局は不動産や株式という資産バブルを起こすだけで終わり、岩田さんがおっしゃる「お金の価値が下がると見て投資に動いた」を実証するだけの金融緩和になるような気がするのだ。