ラ・ロシュフコーは1613年に生れたフランスの貴族。
青年期には国内外の戦争に赴いて何度も戦傷を負い、一時は失明の危機にも遭う。又、その間、いくつかのアバンチュールも経験し、これが彼の女性観に大きく影響したと言われている。
やがて、体力の衰えとともに文学に傾倒するようになり、1665年に「箴言集」(しんげんしゅう)を刊行している。そこで扱われたテーマは自己愛、情念、欲望、恋愛、欺瞞、傲慢、知性、運・・・と多岐にわたるが、要は「人間の性(さが)」が辛らつに語られている。
「思慮分別と愛は愛称が悪い。愛が深まるにつれ、分別は失われる」
「恋する男は女に対する魅力を感じなくなるまでは、その女の欠点を見ることはない」
「幸福は幸福な人のもとに集まりやすく、不幸は不幸な人のもとに集まりやすい」
「人間は世話になった人より、世話をした人の方に会いたがるものだ」
「女にとっての地獄とは、老いである」
17世紀のフランスで多くの文化人から酷評されたとあるが、多分、ラ・ロシュフコーの鋭い観察眼と簡潔な言葉には救いが無かったからだろう。
