「米国の経済問題」というジョークが回ってきた。


話題は暗いのに、何故こんなに明るく愉快に語れるのか。吹き出したり、苦笑いしたり、そこまで言って大丈夫なのかとヒヤッとさせたり、とにかくこのユーモアのセンスには感心する。多分、ユーモアとは、発言の目的がたとえ批判や皮肉であったとしても、それらを柔らかな知性で包み込むものなんだろう。だから、結構、強烈なことを言っているのにどことなく「品」があり、安心して笑えるのだ。



不況が人々の暮らしに打撃を与えている。


●CEOたちがミニチュアゴルフに興じている。

●エクソン・モービルが25人の下院議員をレイオフした。

●妻が一人しかいないモルモン教徒を発見した。

●銀行があなたの小切手に「残高不足」と書いて戻してきたら、「残高不足なのは銀行?それとも私?」と確認の電話を入れよう。

●マクドナルドが1/4オンスのハンバーガーを売り出した。

●アンジョリーナ・ジョリーがアメリカから養子を取った。

●ビバリー・ヒルズの親達が乳母を解雇し、初めて子供達の名前を覚えた。

●ビル・クリントンとヒラリー・クリントンが一緒に旅行するとき、同じ部屋に泊まるようになった。



私のお気に入りはビル・クリントンとヒラリー・クリントンのジョークだ。本当に仲が悪いのかどうか知らないが、「あの夫婦が一緒の部屋で寝るとは、そこまで景気が悪くなったか」みたいに思わせる最適のカップルなのだろう。


ビバリー・ヒルズのジョークも傑作だし、エクソン・モービルや小切手のジョークは皮肉たっぷりだ。ここまで言っていいのかと心配になるのはモルモン教徒のジョークだが、本来タブーの宗教をネタにしてでも不況を笑い飛ばそうという逞しさを感じる。


いずれもインパクトのあるジョークで甲乙つけがたいが、共通点は「今」という旬な世相を上手く際立たせていることだろう。だから、笑う側もちゃんと勉強しておかないと楽しめない。又、不運にも勝手に名前や人格を使われたクリントン夫婦やアンジョリーナ・ジョリー、マクドナルドやエクソン・モービルにしても、目くじらを立てるのではなく一緒に笑い飛ばすくらいの度量を見せないとアメリカでは尊敬されないのだろう。


シェールオイルの開発など、再びアメリカが世界の注目を浴び始めている。1ドル50円というドル安予想もあったが、70円台後半で留まったあと、久し振りに80円台に戻った。本当にしぶとい国だと思う。そして、そういう強さやしたたかさを担っているのが、こうしたジョークで世相や権力者、巨大企業を笑い飛ばせる国民なのかなと思う。