タイトルも過激なら、表紙の裏に記された紹介文も過激だ。


「この国の政治、経済、社会に危機をもたらしたものは何か。構造改革、デフレ下の大増税、自由貿易至上主義、ポピュリズム・・・・・その根本にある日本の病理を気鋭の論客二人がえぐりだす」


ボルネオ7番のブログ-日本破滅論


第1章 大震災を食う-危機論

第2章 学者・官僚・メディアの嘘-パラダイム論

第3章 新幹線と失われた20年-物語論

第4章 沈黙のらせんを絶て-政治論

第5章 マクド経済学が世界を蝕む-経済論


日本が破滅するという預言書などではなく、この辺で目を覚まさないとエライことになりますよと警鐘を鳴らし、こういう考え方もあるでしょうという明確な姿勢を示す。医者に例えると、レントゲン写真から骨折を説明するのではなく、メスで患部を切り開いて骨折そのものを見せるという生々しさや迫力があるという感じか。


例えば、第1章では寺田寅彦の「われわれ人類は過去、本当にたくさんの災難に苛まれてきた。振り返ると、人類が進化してきたのは、肉や魚や野菜を食って成長してきたのと同じように、災難というものを食ってきたからだろう。(中略)学校や文部省とは関係なく、災難が日本人を日本人たらしめたのだ」という言葉を紹介している。


そして、お二人はこう断じる。「ところが、日本人は東日本大震災を食わなかった。何かあったんやなとテレビ越しで見たり、良い人に見られたいから可哀相にと口にしたり、単なるノリで絆と口走ってみたり。その程度のものでしかなかった」。


その原因はどこにあるのか?お二人の考えはこうだ。「サバンナのライオンは餌を確保するために共同体の秩序を作っていく。サルも猿山を作るし、人間なら当然、政治や道徳を作り出すだろう。しかし、日本人はいつの間にか安全で食べ物に困らない南の島の楽園に住んでいるかのような錯覚に陥り、リスクの存在を忘れてしまった。その結果が東日本大震災後の政治の停滞だ」


分かりやすく言えば、「日本人の平和ぼけ」こそが原因ということだ。


(続く)