久し振りに映画を観た。「最強のふたり」、フランス映画だ。
「最強のふたり」の一人は不慮の事故で首から下が麻痺してしまった大富豪フィリップ、もう一人はその介護をすることを目的に採用されたスラム街の黒人青年ドリスだ。
実話がもとになっているという作品だが、ふたりが出会い、心を通わせていく過程がさまざまな出来事を通してテンポ良く描かれている。何度も笑い、そして何度か涙を誘われた。
いろんな見方があると思うが、私はドリスによる人々の心の再生物語かなと思う。ドリスは誰に対しても態度を変えない。日本流に言うと、誰に対してもタメ口。そして、相手の人生や生活にズカズカと遠慮なく入り込んでいく。
だから、人によっては無礼に感じるだろうし、そこまで人の生活に立ち入るなと言いたくなるところだろうが、フィリップはそういうドリスを介護役に採用した理由をこう述べる。
「彼は私に同情していないんだ」
正確には思い出せないが、ハッとする言葉だった。ドリスは平気でフィリップを障害者と呼び、チョコレートを欲しがるフィリップに、これは健常者用だとからかう。そんなドリスなのに、フィリップにしてみれば、「ありのままの自分を受け容れてくれている。そして、容赦がない」という対等の人間関係を感じさせるものだったに違いない。
(続く)
