ノーマン・カズンズ著、「笑いと治癒力」
ノーマン・カズンズは実在したアメリカのジャーナリストだが、49歳のとき、重度の膠原病を患っていると診断される。緊急入院した彼は過酷な闘病生活を始めるのだが、病状は好転せず、医師もお手上げの状態だ。にも拘らず、検査漬け、薬品漬けの入院生活にノーマンは疑問を抱くようになる。
そんなとき、以前読んだ文献に、「副腎の疲労は欲求不満や抑えつけた怒りなどのような情緒的緊張によって起こり得る。すなわち、不快でネガティブな情緒は人体の化学的作用にネガティブな効果を及ぼす」と書いてあったことを思い出す。
そこでノーマンは、「ネガティブな情緒が肉体のネガティブな化学反応を引き起こすなら、ポジティブな情緒は肉体のポジティブな化学反応を引き起こすはずだ」という仮説を立て、強引に退院するとホテルに住いを移し、そこで一日中、お笑いTV番組の録画フィルムを見たり、ジョーク集を読んで過ごすようになる。
効果はテキメンで、「十分間腹を抱えて笑うと、少なくとも二時間は痛みを感じずに眠れる」ことを発見した彼は、人間が本来持っている治癒力と、笑いがもたらすポジティブな効果に気付く。これこそが、笑いの力で膠原病を克服する第一歩となるのだ。
実話だけに説得力がある。
その他、ビタミンCの威力やプラシーボ(患者の気休めに与えられる偽薬)の効果など、読み応えあり。
