エンジン音が変わり、飛行機が水平になったのが分かった。
それを待っていたとばかりに、準備を済ませていた人たちが昇降口に向かい、次々に飛び降りて行く。その様子なのだが、一瞬にして姿が見えなくなる。
先生の話では、高度4000メートルで飛び降り、約50秒間、1200メートルまで落下してパラシュートを開くとのことなので、計算すると時速200キロ近いスピードで落ちていくことになる。一瞬にして姿が見えなくなるのも当然だろう。
そうこうする内に、一緒に来た三女の順番になった。少し緊張した面持ちをしていたが、昇降口に座り、下界を見た三女の横顔は微笑んでいるように見える。「あいつ、余裕やな」と感心していたら、三女の姿も一瞬で視界から消えた。
いよいよ僕の順番だ。
ドキドキしながら昇降口に向かう。そして、昇降口に腰掛ける。下を見ると美しい緑の田んぼが拡がる。不思議なことに、その瞬間、「キレイや!」と目を見開くのが分かった。そして、なんと、「早く飛び降りたい!」と思ったのだ。先程、三女が笑顔になったのが分かったような気がした。
そして、そのまま前に倒れるように飛行機から飛び出たのだ。
(続く)
