先日読んだ「世界恐慌の足音が聞こえる」の著者は榊原英資さん。

その榊原さんが何度か引用されていたのが水野和夫さんの著書だ。

この水野さん、大変ユニークなことをおっしゃっているので、俄然興味が湧いて本屋に向かった。何とか探し出した一冊。


ボルネオ7番のブログ-水野和夫さん


対談方式で話が進むが、対談相手の萱野稔人さんは経済学者ではなく哲学者だ。視点や発想が違うから、世界経済の見立てや分析も大きく異なる。それが新鮮で面白い。


いくつか印象に残った発言を紹介したい。


「国家は市場から撤退すべきだ、と主張していた金融機関が、いざというときには国家に頼らざるを得ない。結果として、金融市場の危機が国家によって肩代わりされ、今のソブリン・リスク(国家財政に対する信用危機)に見られるように、もっと大きなシステムの危機へと拡大しつつある」


※今まさに欧州で起こっていること。今や企業ではなく、国家の倒産が現実味を帯びる時代なのだ。


「アメリカでは90年代半ば以降、日本では99年あたりから、売上高が増えても人件費が下がるという傾向が顕著になってきている。これは利益を増やすために人件費を削ったことを意味している。要するに、先進国の交易条件が悪化している」


※新興国の発展に伴って石油など資源価格の上昇から原価が上がっている。企業は止む無く経費、中でも大きな割合を占める人件費の削減を図る。


「95年から金融危機が起こる08年までの13年間で、世界の金融空間で作られたお金は100兆ドル(1京円)に達する。シェアはアメリカ4割、ヨーロッパ割。日本は戦後60年をかけて1500兆円(20兆ドル)の金融資産を作り出したが、欧米主導の金融空間では、13年間で100兆ドルが作られた。


※貨幣は刷れる。しかし、いつか辻褄を合わせないといけない。最後は大インフレにして貨幣価値を下げるのかなと思うが、果たして上手く行くのだろうか。


その他、アメリカを刺激しそうな話、日本の不動産屋が怒りそうな話など盛り沢山だ。一読の価値あり。タイトルが大人しかったから売れなかったのかな?