「十字軍物語 3」を読み終えた。


ボルネオ7番のブログ-十字軍物語 3


約200年に及ぶイエルサレムを巡る戦いがやっと終わる。多くの人々の血が流れ、命が奪われる戦争が題材なのに、さして重苦しい気持にさせられずに読めるのは、獅子心王と称された英国王リチャードや分裂しがちなイスラムを一つにまとめ上げた武将サラディンという、魅力あるリーダーたちが生き生きと描かれているからだろう。


もう一つ、本の帯にも書かれているが、この200年の間、ずっと戦争をしていた訳ではなく、双方が外交に注力し、契約を交わし、共生を実現した時期があった。この事実が、今に続く対立にもひょっとすると解決の糸口があるのではないかという希望を抱かせる。ただ、平和な時期に貢献したのが双方共に原理主義者でなかったことは皮肉と言える。


リチャードやサラディン以外にも強烈な印象を残した人たちがいる。勇猛さで名を馳せたテンプル騎士団。戦時には人々から頼られる存在だった彼らも、戦後は悲劇的な末路を迎える。それに胸が痛んだ。もう一方の聖ヨハネ騎士団はロードス島に拠点を移してロードス騎士団、その後、マルタに移ってマルタ騎士団として存続する。その現実対応力には舌を巻いた。


又、あくまでも脇役だが、ヴェネツィア人たちの柔軟な発想と機動力には胸のすく思いがした。彼らは「まずヴェネツィア人、次にキリスト教信者」と言っていたらしいが、そういう堅固な独立精神はどこから来たのか。多分、海洋国家として広い世界で活動する内に、一歩先を歩むようになったのだろう。


各々が自分の信ずるところに従い、勇敢に生き抜く。

私もそうありたいと思う。