ユベール・ロベールはフランスの画家で、ちょうどポンペイなどの遺跡発掘に涌いた18世紀に活躍したとのこと。その作品には朽ちかけた古代神殿や教会がリアルに描かれ、それと対象を成すように、力強い緑の木々や、今にも動き出しそうな人々が描かれている。
人々の命はいずれ終わるが、遺跡や建造物は何世紀も残る・・・・そう思いがちだが、なるほど、建造物は朽ち果てても、いつの時代にも逞しく生きる人々がいる、と考えることもできる訳だ。
そのユベール・ロベールだが、イタリア留学を終えてフランスに帰国すると、「廃墟のロベール」と称されるまで画家として成功し、同時に、「国王の庭園デザイナー」の称号を得て、王室や貴族のために庭園のデザインまで手掛けるようになる。まさに順風満帆の人生を迎えていたのだと思う。
ところが、そういう最中にフランス革命が起こる。そして、王室と関係の深かったユベール・ロベールも捕らえられ、投獄されてしまう。その囚人としての生活は2年間に及んだのだが、その間に制作した「絵皿」が展示されていた。キャンバスの代わりになったのは食事用の皿。何と、彼は十数枚の絵皿を完成させ、販売したのだという。
その絵皿があまりに見事で、思わず、ユベール・ロベールが独房の中で一心不乱に絵皿を制作している姿を想像してしまった。彼は廃墟をリアルに描いて「廃墟のロベール」と称されるに至ったが、彼の作品に出てくる人々同様、彼もまた逞しく現実を生き抜く力を持っていたのだろうとそのとき思った。
もし、私が逮捕され、囚人の身となったら・・・・な~んも売り物を作ることなどできないから、やっぱり悪いことはせず、清く正しく生きたいと思う(笑)
