10年ほど前のことだろうか。

千鳥ヶ淵でライトアップされた桜を初めて見た。

そのとき、桜が男の木ではないことを悟った。


ボルネオ7番のブログ-桜 三十路


ライトアップされた桜には妖艶な美しさがあった。これは男に出せる色気ではない。更に、咲き誇る桜の木々を眺める内に、妖艶を通り越した危うさのようなものまで感じてしまった。


ボルネオ7番のブログ-桜 妖艶


千鳥ヶ淵は元々江戸城のお堀だったし、近くには第二次大戦の戦没者を祀る墓苑もある。そういう歴史や、各々の時代を生きた人々に思いを馳せるから、余計に桜が妖しく、艶めかしく見えるのかも知れないが、夜に見る桜は、やはり女だと思うのだ。


渡辺淳一さんが、「桜の樹の下で」という小説を書いておられるが、そこに描き出される女の情念を際立たせるには桜が必要だったのかなと思う。これが「椰子の樹の下で」だったら、明るく屈託のない少年少女の初恋物語になってしまう(笑)