今年読んだ最初の本は、
「アメリカの次の覇権国はどこか?」
著者は名城大学の木下栄蔵教授。
具体例や分かり易いチャートにより、オランダ~イギリス~アメリカと引継がれてきた覇権国とはどのような国家なのか、又、覇権国になる条件はどのようなものなのかが面白く説明されていた。
もう一つ、なるほどと思ったのは、経済を「通常経済」と「恐慌経済」という大きく異なる二つの状況に分類・整理し、政府の役割も各々の状況による全く異なると断じていることだ。
木下教授によれば、お金がちゃんと回っている状況が通常経済。一方、将来への不安から企業が投資を止めて金融機関への借金返済に走り、消費者は消費者で金融機関への貯蓄に励む状況が恐慌経済。結果として、恐慌経済下では金融機関にお金が滞留してしまい、企業にも企業から給料をもらっている労働者(消費者)にもお金が回らなくなってしまう。
そこで、木下教授は「こういう恐慌経済下では政府が金融機関に滞留するお金を借入れ、消費するしかない」という財政出動の必要性を説く。苦労を強いられている企業や労働者からすると、政府の無駄遣いに見えたりする財政出動だが、確かに、政府もお金を使わなくなると、世の中からお金の使い手がいなくなってしまうようにも思えてくる。
例えば、1929年の大恐慌からアメリカを救ったとされるニューディール政策だが、実際には政府の財政出動が中途半端なまま終わり、立ち直りかけた経済は再びルーズベルト不況と呼ばれる深刻な不況に陥ったらしい。最終的には、その後に始まった日本との太平洋戦争による軍需でアメリカ経済は完全復活したのだという。
寝正月から抜け出すための目覚まし時計になれる本かも。
