長女が生まれた年のスクラップブックを開いてみたら、当時勤務していた丸紅の社内報が出てきた。12月号なので、「昭和58年のできごと」と題し、その年に政治や経済、社会で起こったできごとを振り返っている。


【政治】


1月、中曽根首相が日本の首相としては初めて韓国を公式訪問、全大統領と会談。

7月、コール西独首相がソ連に「東独との再統一希望」を表明。

11月、中国共産党の胡耀邦総書記が来日、初の西側訪問。


ソ連や西独、東独など、国家としては消えてしまったものがあり、歴史の大胆な変化を感じるが、全体としては世界がまだまだ閉ざされていた時代であったことに気付く。韓国も当時は日本から遠い国だったのだ。



【経済】


12月(57年)、政府が58年の実質成長目標を3.4%の低水準で決定。

3月、ロンドンで開かれたOPEC会議で基準原油価格を1バレル29ドルに値下げ。

8月、1日の東京外為市場で円が急落、1ドル243円台と58年最安値を記録。

10月、日銀、公定歩合を1年10ヶ月ぶりに0.5%引き下げ、5.0%に。


3.4%の経済成長目標は「低水準」、公定歩合は0.5%引き下げても「5.0%」、日本の経済は間違いなく右肩上がりの成長過程にあったのだ。しかし、原油が1バレル29ドル(現在100ドル超)で、円が1ドル243円(現在70円台)とは!



【社会】


1月、コンピュータプログラム等のソフトウェアは著作物。著作権法を大幅改正。

3月、試験管ベビー誕生か。東北大医学部で初の妊娠に成功。

4月、日本最大の遊園地、「東京ディズニーランド」が浦安市にオープン。

6月、スパルタ訓練の戸塚ヨットスクール、戸塚校長が傷害致死容疑で逮捕。


コンピュータがビジネスや日常の生活に進出し、バイオテクノロジーの研究開発が進む。TDLの登場でレジャー施設が大きく豪華になる。一方、スパルタ教育や体罰が厳しく取り締まられるようになり、その大きな流れは体育会にも及んだように思う。


一言で言えば、どんどん平和で豊かな社会になっていったということだろうが、こんなできごとも記されていた。


5月、総理府調査で、子供人口が依然減り続けていることが判明。

8月、労働省、65歳までの雇用延長を提言。

9月、総理府調査によると、65歳以上が総人口の9.8%を占める。


いずれも少子高齢化を示すできごとで、今読めば「なるほど」と思えるニュースだが(現在、65歳以上の人口は21.0%、15歳未満の人口は13.6%)、当時は全く目にも入らなかったように思う。私自身、東西冷戦はあったものの順調に経済発展していく日本の未来を疑わず、豊かな生活を追い求めていたのだろう。


さてさて、今、見落としているニュースはないだろうか?

もし、あるとしたら、一体なんだろう?