無事に入館審査をパスした私は取引先のブースに急行した。


途中、女性の一群・・・悠に20名を超える集団が私の方に向かってくるのが見えた。

「えっ、僕のファン?」

などと厚かましい想像をしていたら、その集団の先頭にイケメンの男性がいることに気付いた。

「どこかで見たことあるなぁ・・・。あぁ、海猿に出ていた伊藤英明や!」

スリムでイケメン。甘い笑顔。う~ん、ちょっと僕とは違うタイプね(笑)


取引先のブースに到着する。

親しい相手なので、早速、旬な話題を提供。

「いや、今ね、ここに向かって歩いていたら、なんでこんな通路の真ん中に鏡があるんや、と思ったんですよ。そしたらね、それは鏡ではなくて、伊藤英明が向こうから私に向かって歩いてきていたんですね」


笑いが収まったころ、先程の受付での一件をボヤく。

「一体、名刺2枚にどんな意味があるっちゅうんですか!」

その結果、分かったことは・・・・


宝飾の展示会では過去に盗難の被害があったらしい。どうやら、名刺交換で得た他人の名刺を使って入館した泥棒が犯人だという。その反省から、「1枚の名刺では、名刺交換で得た他人の名刺かも知れないが、2枚の名刺を持っていたら、先ず本人だと思って大丈夫だろう」ということになったらしい。


ま、それなりに説得力はある。

短気は損気。