表現は悪いが、早稲田ファンからすれば「兵糧攻め」に遭ったような気分だろう。ボールを獲得できなければ、攻撃のしようがない。後半は特に、早稲田の攻撃をほとんど見ることができなかった。それくらい、帝京にはボールを獲得し、支配し続けるだけの力があった。
【前半】
前半早々から帝京モールの前進が目立った。早稲田が何とか止めると帝京がBKに回す。それを早稲田のBKが矢のようなタックルで仕留める。しかし、帝京のバッキングアップも早く、ターンオーバーを簡単には許さない。これは緊迫したゲームになるなぁ、とみんなが感じたことと思う。
そして前半4分、注目のファースト・スクラム。組んだ瞬間にスクラムが揺れる。ボールインと同時に帝京①の足が前に出て、スクラムが時計回りに回る。強烈な押しのようだ。う~ん・・・・。
帝京は5分に先制トライを上げ、8分にはPGを決めて8-0。その後も帝京がFW、BK一体となった連続攻撃を仕掛け、早稲田が低いタックルで止めるという展開が続く。そして、19分、帝京ボールのスクラムで早稲田にコラプシングの反則。PG決まって11-0。再び、う~ん・・・・。
20分には帝京が素晴らしいディフェンスを見せる。帝京ゴール前の早稲田ボールラインアウトから早稲田が攻める。これを帝京が低いタックルで阻止。何度か攻防が続き、帝京がターンオーバー、ピンチを脱する。帝京のディフェンスも気合い十分。
24分には早稲田がシャープなBK攻撃でトライを返す。⑩から⑮がクロスで入り、ボールを貰うとそのままゴールに切れ込んでトライ。予想を超える絶妙の角度とスピードだったのだろう。ゴールも決まり11-7。その後も両チームの運動量は落ちず、前半終了。
前半が終わったところで、テレビ画面にボール支配率が出たが、帝京66対早稲田34。それでいて、スコアは帝京の11点に対し早稲田7点。トライ数は一つずつ。如何に早稲田のディフェンスが厚く、又、早稲田が数少ないチャンスをトライに結び付けたかという証だろう。
【後半】
4分、帝京⑪がトライ直前にノックオンしてトライならず。しかし、その直後の早稲田ボールスクラムで帝京が凄まじいプレッシャーを掛ける。本日3度目のう~ん・・・・。モールにしたい帝京と、それを阻止したい早稲田の攻防が続く。11分、帝京がPGを決めて14-7。
そして14分、早稲田ボールのスクラムが帝京の押しでめくられる。早稲田③が完全に浮く。見たくないものを見せられた気分。これが帝京のスクラムなんや。本日4度目のう~ん・・・・。
17分には、早稲田ボールのスクラムが、帝京のワンプッシュで遂に帝京ボールとなる。「う~ん・・・」の代わりに、「あぁ・・・」という溜め息が出る。それでも早稲田が必死のディフェンスを見せるが、19分に帝京がPGを決めてスコアは17-7に。
このあたりから、早稲田ファンからすれば、憎々しい帝京のボール支配が始まる。⑤ボンド選手、⑥ツイ選手が中心となり、FWがモール、ラック、モールを繰り返しながら前進する。ターンオーバーは容易ではなく、早稲田には有効な対抗手段がない。しかし時間は刻々と過ぎて行く。スクラムになると帝京の強烈なプッシュからボールを奪われたり、反則を取られたりする。早稲田が防戦一方となったのだ。
それでも、早稲田はワンチャンスを生かし、36分に反撃のトライを上げ、17-12とする。この集中力はさすがだと思うが、しかし、その後も攻撃に転ずる生きたボールを獲得できない。果敢に攻めるが、地域の獲得につながらずノーサイドの笛。帝京が2年連続の優勝を成し遂げた。
ボールを獲得できなければ攻撃できない。
早稲田にしてみれば、ボールさえあれば縦横無尽の攻撃を仕掛けられるのに、その肝心のボールがないという苛立たしいゲームであったろう。帝京からすれば、そんなにボールが欲しければ取りに来いということなのだろうが、あの強力なスクラム、堅固なモール、ラックからボールを奪うのは至難の業だったろうと思う。「まるで、兵糧攻めやな」と思えるほど、帝京のボール支配は強固だったのだ。
ラグビーファンからすれば、強力FWの帝京vsBK展開力の早稲田というゲームを観たかったところだろうが、結果は「圧倒的なボール支配力の帝京」vs「信じられない集中力の早稲田」というところだろう。帝京の支配力には脱帽、しかし、早稲田の2トライには大きな拍手を送りたい。