早稲田74-10明治。


ボルネオ7番のブログ-スクラム



早稲田が今シーズン目指しているものが「多彩な攻撃でグランドを広く使うラグビー」だとすると、その早稲田の土俵に上がって勝負をかけた明治が、残念ながら、一日の長がある早稲田に翻弄された・・・そういうことだろう。平たく言えば、明治の攻撃は早稲田の想定範囲内、しかし、早稲田の攻撃は明治の予想を遥かに超えていたということか。


今、振り返れば、前半早々にその兆しはあった。前半5分、明治⑬衛藤選手が強烈なタックルを喰らって退場。その後も明治がボールを支配してFW、BK一体となった攻撃を続けるも、早稲田が堅実なディフェンスできっちり止める。15分を過ぎると、早稲田のラインディフェンスが一層シャープになり、「狙い澄ましたタックル」が繰り返されるようになる。これが25分くらいまで延々と続く。耐えた明治も凄いが、自信を付けた早稲田の勢いが更に増す。明治の攻撃が読まれていたと言えないか。


ボルネオ7番のブログ-ラインアウト


現役の頃、「ホスピタル・パス」を厳しく禁じられた。「ボールを貰った瞬間にタックルされるようなパス」はボールを受けた選手が病院直行になる危険でピンチを招くパスだ、だから、絶対にそういうタイミングでパスしてはならない。そういう教えだ。


それに近いパスが明治に目立つようになる。明治が不注意なのではなく、早稲田のラインディフェンスが明らかにかぶり気味で、迷わず出てくるのだ。恐らく明治の予想を超えるスピードで早稲田は間隔を詰めてきたと思う。明治からすれば、ライン裏へのキックとかハイパントとか、早稲田のプレッシャーを少し緩和させる攻撃もあったかと思うが、明治には早稲田のディフェンスを真っ向から受けるだけの力がある。先日の早明戦同様、ガチンコ勝負をしながら、一瞬のチャンスを生かす早稲田が2トライを上げて10-0、ゲームの様相は「勝負師早稲田対男の子明治」となった。


ボルネオ7番のブログ-モール


これも結果論だが、後半明治が得たペナルティ・トライは、明治が攻め方を修正するきっかけにできたかも知れない。後半31分、早稲田ゴール前のラインアウトから明治はモールを形成、そのまま固いパックで力強く前進する。その中で何かあったのかは見えなかったが、明治はペナルティ・トライを与えられ、ゴールも決まって7-10とする。早稲田がペナルティを取られたということは、明治のトライを恐れたということだろう。ここで明治がFWの威力を再認識し、FW中心の攻撃に切り換えていれば、ボールの支配力を高めることができて、得点は容易ではなかったかも知れないが、少なくとも失点は少なく出来たように思う。



後半は残念ながらゲームにならなかった。

明治は早稲田の攻撃を目で追うようになり、ディフェンスとの間隔を与えられた早稲田がそれを自由に生かす試みを始め、更に明治のディフェンスが受身になった。まさに、早稲田の思うつぼとなったのだ。


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明治のチームカラーが好きなので、後半は明治を応援した。

長い低迷を経て、昨シーズン、明治は帰ってきた。勝手に私が呼んでいるだけだが、明治は「男の子」のチームだ。北島忠さんの「前へ」は有名な言葉だが、その北島忠さんに、明治と対戦して大敗した同志社の岡監督(当時)が、「相撲から始めたらどうか」と言われたことがあるらしい。悔しい思いをしたと岡監督が言い残しておられるが、ラグビーの基本はアタックもディフェンスも「前へ」だろう。その形はさまざまだが、前へ出ることが基本だし、その前へ出る痛みに耐える必要があるから、ラグビー選手は魅力的な男になるのだ。


ノーサイドの瞬間に思ったことは、この明治より数段厳しい立場にある同志社が思い出すべきことは、この「前へ」という基本だということだ。明治はこの敗戦の悔しさから学び、明治流の「前へ」を軸に復活を期すだろう。東海も同じだ。2年連続で帝京に敗れた経験から、次は通用する「前へ」を探し出すと思う。同志社も同志社流の「前へ」を探し、その一歩を踏み出そうではないか。