私はコーチでも何でもないので、本来なら、ロッカールームへの立ち入りなど、してはならないのだと思う。ただ、BKコーチのM君に用事があって探していたところ、彼がロッカールームにいると聞いたため、申し訳ないと思いつつ、ゲーム後のロッカールームに足を踏み入れた。


言うまでもないが、ゲームに勝って浮かれている選手など一人もいない。思い思いの場所に腰掛け、黙々とスパイクやストッキングを脱いでいる。中にジャージを脱いだ上半身裸の選手がいたが、激戦を物語る赤い擦り傷が痛々しかった。


壁際にMコーチは立っていた。

真っ直ぐ立って、選手の方を向いていた。大きな目を見開いて、それがコーチの仕事であるかのように、戦いを終えた選手たちを見ていた。「あぁ、こういうのを見守る、というんや」・・・そう思った瞬間に、今年一番の涙もろい症が出ている私は再びウルウルしてしまった。


何とかMコーチに用事を伝え、ロッカールームを出ようとしたとき、最近、怪我から復帰した4年生の選手が座っているのが目に入った。未だスパイクを履いたまま、静かに座っていたのだが、その穏やかな表情がとても印象に残った。微笑みとまでは行かない穏やかな表情・・・。


ひょっとすると、Aリーグ残留を成し遂げた安堵感に、勝ったけど次がない寂しさがまじった表情だったのかなと思う。お疲れさんやったね!