筑波は対戦相手の研究を怠らず、大物から貴重な一勝を上げる。今日も何かしら準備をしてきた筈だ。心情的には明治を応援したいところだが、筑波が何を仕掛けてくるのかには興味があった。


その筑波はキックオフでいきなり逆サイドを突いてきた。ちょっと唐突な感じがしないでもなかったが、明治が落ち着いて処理し、筑波としてはボールも地域もゲインできずに終わった。そう、今日の明治は落ち着いていた。キャッチも確実だし、キックも正確で良く飛んだ。


ボルネオ7番のブログ-ラインアウト2


その明治が何度かライン攻撃を試みるが、筑波がきっちりタックルで仕留める。うーん、明治のラインがちょっと浅すぎひんか、と一緒に観戦したS谷君に言うと、彼も、そうですね、走力があるんやから、ちょっともったいないですね、と答える。


ところが、その直後に明治が最初のトライを決める。しかもSOからWTBへの「キックパス」で!これにはホンマに驚いた。


私のイメージにある明治は北島元監督の「前へ」を頑なに身体を張って実行するチームだが、その「前へ」は相手をブチかまして進むか、スピードで抜き去って進むかの選択肢しかなく、キックパスは含まれていなかった。しかも、距離とタイミングがピッタリのキックパスだから、えっ、これ明治?とホンマにビックリした訳だ。


しかし、今日の明治は更に「これまでと違う!」と私に思わせるプレーを随所に見せる。先ず、ラインアウトにミスがない。スローワーが投げ入れるボールが毎回正確。その後、前半は少し姿勢が高かったが、得意のモールで前進し、そして「良いタイミングで」ボールを出す。行けるところまで行って自滅したり、余裕のないボールを出したりしない。見事なチームワークで前進する。


明治のラグビーについては、親近感を込めて「男の子」「ヤンチャ坊主」「ガキ大将」みたいな喩えを多用してきたのだが、今日の明治は「学級委員」という感じだった。


ボルネオ7番のブログ-ラインアウト
余裕のラインアウト


ボルネオ7番のブログ-モール
少し姿勢が高かったモール。しかし、後半きっちり修正してきた。


筑波は前半、明治から1トライを奪っているが、これは右サイドをバックス陣が突き、飛ばしパスかすれ違いざまのパスで明治ディフェンスを振り切って上げたものだ。ちょっと気になったのはBKが振り切られたとき、明治にバックアップがなかったか、又は遅れていたことで、少し安易にトライを許してしまったような見え方がした。


ボルネオ7番のブログ-スクラム2
筑波ゴール前のスクラム。この後、明治が押し込んでトライ。


スクラムは明治が圧倒するのかなと思ったが、S谷君の解説では、「筑波の1番が健闘してます」とのことで、なるほど大きくは動かない。しかし、前半終了直前の筑波ゴール前スクラムでは明治が固いパックで押し込み、最後は明治の重さが勝ったとでも言うのだろうか、スクラムがそのまま左前の方向にシフトしながらゴールを割り込み、トライを上げた。これで前半終了、明治19-5筑波。



後半に入っても元気な明治。


開始早々、明治はペナルティで得たボールを筑波陣に蹴り込み、これがナイスタッチとなる。明治はラインアウトでボールを獲得すると、前半にはなかった低く縦に長いモールで力強く前進、そのままトライを上げた。ゴールも決まり、明治26-5筑波。その後も明治の「無理と無駄のない攻撃」が続き(う~ん、この辺がこれまでの明治と違うんやなぁ・・・)、後半8分には筑波のNo.8が、次々に明治に良いタイミングで出るボールに我慢し切れなくなったのか、オブストラクションの反則でシンビンに。明治相手に14人か・・・・今日のゲームはこれで決まりかなと正直思った。


ところが、ここから筑波の粘り腰が始まる。筑波SOのゲインライン突破から11分に反撃のトライ(ゴール)。明治26-12筑波。続く26分には明治陣10M付近でペナルティを得て、タッチを切ってラインアウトから攻撃するのかなと思いきや、PGを選択して26-15。残り十分少々、2トライ・1ゴールを上げれば逆転になるが、明治がそこまで崩れるとは思えない。案の定、明治は筑波ゴール前ラインアウトでボールを獲得すると、再びモールで突き進む。


ボルネオ7番のブログ-ゴール前ラインアウト

ダメ押しのトライかなと思ったところ・・・


ボルネオ7番のブログ-トライならず

どうやら反則があったらしく、筑波がキックで逃れる。


そして38分、今度は明治ゴール前スクラムでペナルティを得た筑波は、シンビンから復帰したNo.8がそのままゴールに持ち込んでトライ、ゴールも決まり・・・・えっ?明治26-22筑波?その差4点、1トライで逆転!?


ボルネオ7番のブログ-ゴール前スクラム


その後も筑波の猛攻が続き、明治が自陣ゴール前で必死に耐える。

筑波はバックスにボールを出すのかなと思ったが、逆にFW戦を挑んだ形になり、何とか明治FWが凌いでノーサイドの笛。回りの明治ファンから安堵の溜め息が聞こえてきた。筑波ファンにしてみれば、バックスが何度かすれ違いざまのパスで明治ディフェンスをかわしていたので、最後にバックス勝負を望んでおられたかも知れない。


明治は強い。スクラム、ラインアウトというセットプレーが安定しているし、ラック、モールもしたたかだ。例年以上にチームワークが良く、生きた球を出そうとFWが意識している。今の時点では最も強く、バランスも良いチームではないかと思う。


ただ、シーズンが深まると、何かアンバランスなものが力の均衡を破るということがあると思うので、明治には是非、「前へ」の意地と、「男の子」「ヤンチャ坊主」「ガキ大将」の片鱗を持ち続け、いつもピカピカに磨いておいて欲しいと願う。