引退を決意したラグビー元日本代表の大畑選手は左右のアキレス腱を切っている。そんな記事を読みながら、アキレス腱のことをボンヤリと考え始めた。実は僕もアキレス腱を切っているのだ。
アキレスというのはギリシャ神話に出てくる英雄で、トロイの木馬で有名なトロイ戦争で活躍したと言われる。ブラピがアキレスを演じた「トロイ」という映画があったが、ブラピ演じるアキレスは不死身の戦士で、とにかく不遜なまでに自信満々、その表情にはひとかけらの不安も見当たらない。
ところが映画の終盤で、オーランド・ブルーム演じるパリス王子がブラピの踵を矢で射抜くのである。矢で射抜かれた踵を呆然と眺めるブラピ。不死身の筈の肉体だけに、「一体なにが起こったのか?」という驚きを隠せない。
しかし、やがて、その顔に、「自分にも一箇所だけ生身の弱点があったのだ」という怒りとも悔しさとも取れる表情が浮かぶ。そして、次の瞬間、ブラピはそういう運命を潔く受け容れたかに見える清々しい笑顔を見せると、恋人に別れを告げ、兵士の顔に戻る。
ブラピがアキレス腱を切った情景は、こんなにも切なく、美しかったのだ。
それに比べ私がアキレス腱を切った状況はと言うと、敵のキックオフ・・・・タッチライン際で僕がキャッチ・・・・目前に迫る敵のFW・・・・あれっ?足が前に出ない・・・・そのまま前につんのめって倒れる・・・・その上に折り重なる敵と味方のFW・・・・レフェリーの笛・・・・ラックが解かれる・・・・殆ど気絶状態のボルネオ発見。
どうやらボールをキャッチした瞬間にアキレス腱が切れたらしい。
今から20年前、35才のときだった。
ま、少なくとも映画化は無いな(笑)
