私はお酒が飲めない。
一滴も飲めない。
「大酒飲みの顔をしてるがな」と言われるが、顔がお酒を飲む訳ではない。お酒を受け止める身体にアルコール分解酵素というものが欠落しているらしい。
ところが、先週の土曜日、体育会OBが集うスポーツユニオンの会合があり、ちょっと飲まざるを得ないような状況に陥ってしまった。普段なら、「宗教上の理由で飲めないんです」とか、「親の遺言で飲めんのですわ」とか言って煙に巻くのだが、その夜は中学時代から先輩だった方もおられ、
「おぅ、お前、何年の卒業やったっけ?えっ?昭和53年?俺は52年や(ここで嬉しそうにニタッと笑う)。この1年は大きいなぁ、で、いつまで経ってもひっくり返らへんねん」
と温かなお言葉を頂き、少~しずつ、紹興酒を飲む破目となった。「こら、倒れるな・・・」と覚悟したのだが、同級生バスケットボール部OBのF村が、「これ、飲んどけ!」と私にくれたウコンが利いたのか、何とか意識を保つ。しかし、もうこれ以上はしんどいかな、という時に救世主が現われた。サッカー部OBのT君だ。
T君は私が飲めないことを良~く知っているので、「私が代わりに飲みます」と何度も杯を代理で受けてくれた。なかなか良い飲みっぷりだ。が、しかし、さすがに飲み過ぎたのか、2階から1階に降りる際、階段を踏み外してしまった。
「おいっ、階段は大丈夫か?壊してへんか?」
T君のことではなく、階段のことを心配するあたり、さすがに体育会である。ともあれ、京都駅から深夜バスで横浜に帰るというT君を私が送っていくことになった。京都駅に到着すると、バスの出発時間まで小一時間ある。その間、何度も次のような会話が続いたのである。酔っ払いは面白い。
T 「先輩、もう大丈夫。帰って下さい」
私 「あほ、お前、何言うてんねん。真っ直ぐ立てへんやないか」
T 「立って見せまする」(フラフラ)
私 「もう座れ。ほら、水飲め」
T 「立てと言ったり、座れと言ったり、先輩もワガママですね」(笑)
私 「お前、どつくぞ」
T 「こうやってですか?」(と言って私を先にどつく)
私 「痛たた・・・こら、お前、何年の卒業や、先輩に何するねん!」
T 「えーっとですね・・・私は・・・平成の・・・約◎年頃とちゃいますか」(笑)
体育会というのは、卒業しても面白い。