※本記事内の、下の方に、現在の改善された状況を記しています。

今、このブログを読んで頂いている方が、どのような状況におられるかは分かりませんが、少しでもお役に立てる情報をお届け出来ればと思います。

私が最初に妹の診断結果を聞いたとき、インターネットで境界性パーソナリティ障害についてたくさんの文献を拝見しました。

一言でいうと、
「どうしたら治るのか、まったく参考にできるものがない」

ほとんどのサイトでは、この病について詳しく書かれてはいますが、改善策というのが書かれていませんでした。むしろ、知れば知る程、絶望的な気持ちになるような、重い病気であるということを知るだけでした。

・精神科がもっとも引き受けたくない患者
(これは同じような症状がみられる精神疾患系の患者さんにする治療と同じこうとを行うと、逆に悪化するという点で、ということでした)
・鬱病やその他の精神疾患系の病気で処方されるような、効果的な薬や治療方法がまったくないこと
(特に国内では、この病への認知度も低いということ)

私の妹は、たまたま病院にかかることへ抵抗がなかったので、
診断結果としてはっきりしましたが、これが病院嫌いだった場合、家族内でも甘えだという人がでてきたり、学校や会社へ行けなくなって来たときに、明確な説明ができなかったり、一番かわいそうなのは、家族が「本人の甘えだ!」と誤解して、冷たく接してしまいがちになることだと思います。

他のサイトで見られなかったので、ここで書かせてもらいたいのは、
境界性パーソナリティ障害は、本人、家族ともに大変辛い思いをする病気です。
でも、私たち家族のように、たった3年で、激的に回復することもある病気です。
恐らくこのブログを読んで頂いている時点で、そのご家族や、近しい立場にいらっしゃる方で、私たち家族と同じ様に、心底悩んでいらっしゃる方ではないかと思いますが、
いつか必ず春がくることを信じて、強く前を向いてくださいね。


以下は、境界性パーソナリティ障害の妹の、今迄にあった主な症状です。
・暴言
・自虐
・恋人と殴り合いのけんか
・ネット上でしか交流のない友達であっても、価値観の相違から、1日中悪口を言い続ける、長い時で5日間
・倦怠感から一日中寝たまま
・リストカット
・過食(一日中食べ続ける)
・拒食(ほぼ飲み物以外口にしないまま1週間ということも※体調が悪いわけではなく、食欲がないという)
・多重人格障害
・動物への執着心
・他人の気持ちを試す行為
・血を抜く
・猟奇的な絵を書く
・機嫌がいいときもある
・朝から理由もなくイライラすると言って、本当に一日中イライラし続けるが、特に理由がないときが多い
・同世代の同性で、いわゆる普通に幸せにみえる子への敵対心が強い
・大量(200錠)に風邪薬や家にああた常備薬を飲んで自殺を図る
・泣き続ける
・怒り続ける
・家にあるものすべてを破壊する(これは毎日続き、1日に何度もあることも)
・外に一切でない
・甘えん坊になる
・掃除は一切しない
・おはよう、おやすみ、ありがとう、ごめんなさいが言えない
・夜は特に調子が悪い
・ネットゲームに1日18時間
・笑うことはない
・夜型


そして、現在の妹の状況です。
こちらはぜひ読んで頂きたいです。
・ありがとう、ごめんなさい、おはよう、おやすみなど、挨拶ができる
・笑う
・嬉しいと言う
・友達と遊びに行く
・家族の誕生日などにはお花やプレゼントを買ってきてくれる
・掃除をするようになる(まだたまにですが)
・家族旅行やイベントを楽しみにする
・よくしゃべるようになる
・悲しいや嬉しいなど、感情を言葉に出すようになる
・イライラしている日でも、自分でなんとか改善できないかと奮闘するようになる
・働きたいと思うようになった
・よく出掛けるようになる
・人の多いところへも行ける様になる
・人の話が聞けるようになる
・昼間活動できるようになる
・将来のことを考えられる様になる
・我慢ができるようになる
・人の心配をするようになる

上記を見て頂くと、普通に暮らしている人や、この病気を知らない人には、
本当にごく当たり前で、それができることが何?と思われるかもしれませんが、
本人や、私たち家族には、とてつもない進歩であり、そして嬉しいことであるのは間違いありません。

たった3年で、これだけよくなるのは、とても運が良かったと思います。
そしてそれを実現できたのは、家族全員が向き合ってきたことと、時間の経過、そしていい先生と出会えたことだと思います。

まだ完全に良くなったわけではありませんが、
良好な状態を少しづつでも安定して、長く保てるようにすることで、
より回復につながっていくものだと思います。


具体的に何をしたらいいか、何をしてきたかについては、次回書きたいと思います。

先日、ふと、このブログを書くことを決めて、境界性パーソナリティ障害を知ったばかりの方に、まずはこの病に関する知識をきちんと理解して頂くために、wikipediaから抜粋させて頂くことから始めました。

少し時間が空いてしまいましたが、本日ログインしたら、既にお気に入り登録して頂いた方からのアクセスがあったことに正直驚いています。職業柄(インターネット関連の会社を経営しています)、アクセス数やその経路から、このブログの開設間もなく、検索エンジンからの到達が難しいことを考えると、この病を克服されたいと願っていらっしゃる方々が多くおられるのだと、私自身も勇気づけられました。

まだまだ書きたいことはたくさんありますので、
できるだけ更新できるようにしていきたいと思います。

そしてまずは境界性パーソナリティ障害の妹と、少しだけ家族のことを自己紹介します。
(境界性パーソナリティ障害では、家庭環境からの影響も深く考えられるため、私たち家族が試みてきたことのなかで、その成果と病の因果関係をみなさまとご一緒にお考えいただけたらと思います。)

【家族構成】
父(55歳)ギャンブル、借金により10年前に母と離婚。お酒は飲みません。
母(55歳)働き者、天然、明るく、少し世話好き、掃除と料理は苦手で、過保護の方ではありません。
姉(29歳)大卒、現社会人、3年前までは妹とは犬猿の中、父を嫌い、友達や恋人といる時間を優先。
私(26歳)高卒、現会社経営、父の代わりに生活費を入れています。
妹(21歳)高校は普通科から通信制に編入、卒業しています。3年前に境界性パーソナリティ障害と診断。中学、高校時代は体調不良や倦怠感から不登校な時期も。昔はほとんど家族とはしゃべらず、性格的にはひどく怒りやすかったり、口調が荒い、排他的な思考をもち、何かあると「死にたい」「こんな世界ならなくなってしまえばいいのに」が口癖でした。


【妹のこと】
現在この病と戦っているのは、今21歳の私の妹です。境界性パーソナリティ障害と診断されたのは、4年前の夏のことです。母は妹が1歳になる前から、家計のためにパートに出たり、深夜工場でアルバイトをしていました。
私は妹が産まれた時からずっと、家族の中で誰よりも近くで妹を見て来たので分かることですが、突然始まる病ではないと思います。何かしら兆候と考えられる、性格、思考を持っている(小さい頃にそうなってしまった)と思います。


【家庭環境】
父の借金と浮気のため、妹が小学校3年生の時に両親が離婚しました。離婚直後に妹も小学校を転校し、まだ新しい土地に馴染む前に、一人で家で留守番させることが多く、ちょうど引っ越し直後が夏休みだったこともあって、いつも家でカーテンを閉めて、エアコンをかけ、好きなビデオやゲームを与えて、留守番させることが多くありました。
なぜこのことを書いたかというと、妹が17歳頃に書いたと思われる日記をたまたま見つけてしまった時、当時のことが書かれていたからです。


・自分がまわりに適応できないことを自分でも分かっている。
・私たちがごく普通だと感じている日常(これは自分を我慢させるのが当たり前になっている環境のことかと思います)が、自分にとっては耐えられない苦痛であること。
・自分を理解してくれることが嬉しいこと
その他にも、寂しい想いをしてきたことの絶望感など、感情的なことも多々かかれていました。


ちょうど、境界性パーソナリティ障害と診断される1年前のことです。




Wikipediaより抜粋

境界性人格障害(きょうかいせいじんかくしょうがい、Borderline Personality Disorder,BPD)は、境界型人格障害とも呼ばれ、思春期または成人期に多く生じる人格障害である。不安定な自己-他者のイメージ、感情・思考の制御の障害、衝動的な自己破壊行為などの特徴がある。自殺率が非常に高く、通院患者の10%にも及ぶというデータもある[1]。DSM-IV-TR日本語版2003年8月新訂版より、邦訳が境界性人格障害から境界性パーソナリティ障害と変更されている。また、ボーダーラインと呼称される事もある。
旧来の疾患概念である境界例と混同されやすく、一般的に境界例と呼称される場合、境界性人格障害を指すことが多い。

概説
近年患者数が増加しているともいわれ、医療費への影響や自己破壊的な行動による生産性の低下などから経済へ与える影響も大きい。主に精神力動的精神医学からの研究がなされているが、生物学的な研究は未だ少ない。治療法は精神療法を主体とし、薬物療法を併用することが多い。ICD-10では情緒不安定性人格障害、境界型と呼ばれている。
この言葉は神経症の症状と精神病(特に統合失調症)の症状の境界の症状という意味であった。しかし近年では気分障害(感情障害)との関連も疑われている。しかし、Koenigsbergらが1999年に発表した論文によると、他の人格障害に比べると境界性人格障害と気分障害(感情障害)の関連は特別なものではないとされている。
疫学調査では、人口の0.7~2.0%程度に存在すると言われている。[要出典]気分障害(感情障害)や物質関連障害などを合併することも多い。また抱えている不安感を解決させるために、自我の内部で自己の評価を上げることもあるため、自己愛性人格障害とセットで扱われることも多い。また、対人関係の不安定さを回避しようと、引きこもりのような状態になることもあるため、回避性人格障害(不安性人格障害)と診断されてしまうことも多い[要出典]。経過の途中でミュンヒハウゼン症候群の自傷を見せるなどの行為から自殺に至る例も珍しくない。

判断基準

DSM-IV-TRの診断基準では、以下9項目のうち5つ以上を満たすこととなっている。『DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引』(著者:American Psychiatric Association、翻訳:高橋三郎、大野裕、染矢俊幸、出版社:医学書院、ISBN 4260118862) より引用。
対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で成人期早期に始まり、さまざまな状況で明らかになる。

1、現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする気も狂わんばかりの努力(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと )
2、理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式
3、同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観
4、自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い)
5、自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し
6、顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)
7、慢性的な空虚感
8、不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)
9、一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状


原因
近年の研究結果から、次のものが原因として考えられている。
・先天的異常-生理学的な脳の脆弱性
幼少期の体験-身体的虐待、性的虐待、過干渉、機能不全家族などの経験
境界性パーソナリティ障害、境界性人格障害の家族がいます。

家族として、彼女の症状を知ってから3年。真正面から向き合って、家族全員で受け止めてきました。今、恐らく同じ病の方に比べ、短期間で快復に向かっています。
最も彼女の症状が悪化していた時、多くの同じ症状のご家族をお持ちの方の情報を拝見しました。
ですがこれと言って改善策となる情報は得られず、可能な限り彼女のために出来ることを家族で模索した結果、今、かなり快復に向かっています。
同じ状況におられる方々のために、ここに残していきたいと思います。


必ず春がくる日がきます。諦めずに、大切な家族を守ってあげてください。