通貨が壊れるとき(アジア)2
ドルベッグ制のために
実際の経済力と対比して
過大評価されたタイバーツ。
「この矛盾は
バーツの価値が下落することにより、
いずれ解消する」
こう判断した
ヘッジファンドは1997年5月中旬、
バーツの空売りに踏み切った。
目論み通りバーツが下落すれば、
それを買い戻して巨額の利益を得る。
一方、この取引のリスクは
思惑に反してバーツが上昇することだが、
タイはドルペッグ制を採用しているので
その可能性はほぼない。
ヘッジファンドにとっては、
千載一遇のローリクスハイリターンの
投資(投機)機会だった。
![$金融知識をフル活用して縦横無尽に世界を駆ける強い日本人の再生を目論む、香港IFA玉利の海外投資夜話-thai](https://stat.ameba.jp/user_images/20130507/23/borderless-investment/b4/58/j/t02200147_0420028012530388250.jpg?caw=800)
猛然と空売りをしかける投機筋に
対してタイの中央銀行は手持ちの
外貨準備を取り崩してバーツを買い支え、
一方でバーツの金利を大幅に切り上げて、
空売りを阻止しようとした。
※空売りはバーツを
借り入れてから売るので、
金利の引き上げはそれを
やりにくくする効果がある。
この措置により
一旦は投機筋の売りが沈静化し、
タイ首相も通貨アタックに対する勝利宣言をしたが、
再びヘッジファンンドの売り浴びせが始まり、
7月2日ついにタイ政府はドルベッグ制を放棄して、
バーツは変動相場制に移行した。
本来、USD1=24.5バーツだった為替は
その半年後には半分の50バーツになり、
株式相場も下落を続け通貨危機の翌年には
タイ証券取引所の平均株価指数(SET指数)が
史上最高値(1,753.73)のわずか11.8%である
207.31にまで落ち込む事態となった。
タイの通貨危機に対する援助として、
国際金融当局・機関が拠出した金額は
IMFが40億ドル
世界銀行が15億ドル
アジア開発銀行が12億ドル
日本をはじめとした
二国間支援の総額は105億ドルに上った。
危機前まで
好景気に湧いていたタイは
IMFが課した緊縮財政や利上げによって
景気が悪化し、激しい倒産と失業増に
見舞われることとなった。
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実際の経済力と対比して
過大評価されたタイバーツ。
「この矛盾は
バーツの価値が下落することにより、
いずれ解消する」
こう判断した
ヘッジファンドは1997年5月中旬、
バーツの空売りに踏み切った。
目論み通りバーツが下落すれば、
それを買い戻して巨額の利益を得る。
一方、この取引のリスクは
思惑に反してバーツが上昇することだが、
タイはドルペッグ制を採用しているので
その可能性はほぼない。
ヘッジファンドにとっては、
千載一遇のローリクスハイリターンの
投資(投機)機会だった。
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猛然と空売りをしかける投機筋に
対してタイの中央銀行は手持ちの
外貨準備を取り崩してバーツを買い支え、
一方でバーツの金利を大幅に切り上げて、
空売りを阻止しようとした。
※空売りはバーツを
借り入れてから売るので、
金利の引き上げはそれを
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この措置により
一旦は投機筋の売りが沈静化し、
タイ首相も通貨アタックに対する勝利宣言をしたが、
再びヘッジファンンドの売り浴びせが始まり、
7月2日ついにタイ政府はドルベッグ制を放棄して、
バーツは変動相場制に移行した。
本来、USD1=24.5バーツだった為替は
その半年後には半分の50バーツになり、
株式相場も下落を続け通貨危機の翌年には
タイ証券取引所の平均株価指数(SET指数)が
史上最高値(1,753.73)のわずか11.8%である
207.31にまで落ち込む事態となった。
タイの通貨危機に対する援助として、
国際金融当局・機関が拠出した金額は
IMFが40億ドル
世界銀行が15億ドル
アジア開発銀行が12億ドル
日本をはじめとした
二国間支援の総額は105億ドルに上った。
危機前まで
好景気に湧いていたタイは
IMFが課した緊縮財政や利上げによって
景気が悪化し、激しい倒産と失業増に
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