総裁発表のインパクトと実際の資料の間に感じる、そこはかとないギャップ | 香港IFA玉利の海外投資夜話

総裁発表のインパクトと実際の資料の間に感じる、そこはかとないギャップ


・ETFや、リート、長期国債の保有額を2年間で2倍にする
・マネタリーベースの伸びも2年間で2倍にする
・物価上昇率も2年間で2%にする

と昨年の年末から来年の年末までの2年で、
「2」を並べたわかりやすい量的・質的金融緩和の
目標を示した黒田新総裁率いる日本銀行。

これでデフレ脱却なるか。

日銀のホームページでからダウンロードできる

「バランスシートの見通し」

を見てみると、
ちょっと気になることもある。

$金融知識をフル活用して縦横無尽に世界を駆ける強い日本人の再生を目論む、香港IFA玉利の海外投資夜話-balancesheet

確かに資産の部では長期国債もETFもJ-REITも
保有残高が大きく増えている。

一方、負債の部では、

銀行券、つまり現物のお金の増加分は
87兆円から90兆円へと3.5%の伸びに留まっている。

一方で当座預金残高は47兆円から
175兆円へと3.7倍も伸びている。

当座預金残高といえば民間銀行が
日銀に預けておく預金のことである。

その中には預金準備金と呼ばれる
実際には自由に貸し出すことのできない
お金も多く含まれているはずである。

うーむ。

これを見ると2倍とは言っているが、
ホントに肌で感じられるほど市中に出回る
お金が増えるのであろうか?

インフレ率を2%上げるとのことだが、
その前にデフレギャップがあるはずである。

まずこのデフレギャップを埋めてから、
つまり資金供給量を増やしてデフレの状態を克服してから
やっとインフレになってゆくのではなかったか?

デフレギャップは
40兆円ほどあるとどこかで聞いたことがある。

私自身「当座預金残高」というものの
扱いが100%理解できているわけではない。

だからよくわからない部分はあるが、
現物として出回るお金の量がわずか3兆円
増えただけで本当に2%のインフレになるのだろうか?

実際のアクションが現れる前に
期待感だけで上げてきている株式市場、
大きく円安に振れてきている為替市場を見るにつけ
何となく釈然としないものも感じるのである。

気にしすぎだろうか?


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