ハイパーソニックが来ました。




Nopinzのクラブキットを購入している日本人ってほとんど居ないと思います。(そもそもNopinz自体を着ている人が少数なのだが…。)


クラブキットのハイパーソニックを購入してわかった事。



まず、このノーマルな方に付いている、縦線。


これは、印刷だと言う事。


生地に印刷して出してます。




なので、クラブキットにはそれは付かない。


つけたいなら、そのデザインを初めからしなくてはならない。


今まで、凹凸のある生地かと思っていたんですが、それは間違いでした。


ちょっと残念…。




では、何をもって、ハイパーソニックか?ですね。


それは、この生地です。


この上部の生地をもってハイパーソニックとなっている。


ロード用とか、その他用とは違うのは、薄く、伸縮性に富んだ生地で、目が細かく、風を通さない素材と言う事。


印刷が生地の凹凸ラインと見間違えるほどの、生地の薄さ。


その上で、圧倒的に織物として目が細かい。


かと言って、ビニール素材のように、全く風を通さない代わりに、放熱効果もないと言う訳でも無い。


伸縮性も素晴らしい。


コレ、着れるの?ってくらい、小さいが、それで良い。

袖口は、指3本分くらいしかない。普通は無理なんだが、コイツはイケる。

そしてその事で、着た後は、手首の緩みが一切ない。それは、グローブをしなくても、そこから風が一切入らないって事。

故にNopinzには、エアロコーチのダブルネームグローブしかない。(ハイパーソニックグローブはない。)



伸ばして着る事が前提なので、めちゃくちゃタイトに作られている。

それが、止まると暑い原因。


とにかくカラダにフィットする。それは異次元で。

良くね、サイクルジャージって『ぴちぴち』って言うんですが、それさ、Nopinzからしたら、全然ぴちぴちでもなんでもないと言えます。


2023年度だけでも、スキンスーツは3着も買ってます。そして、ここ10年くらいは、スキンスーツがメインで、ノーマルなサイクルジャージはお付き合いで買う程度。おおよそスキンスーツだけでも10メーカーは着ただろう。


ここまでのスキンスーツジャンキーな私が、通常のサイクルジャージよりぴちぴちはずの、他メーカースキンスーツが、ルーズフィットだと言えるくらいに、Nopinzはピッタリなんです。


そりゃお前、だけだろとか思うかもしれませんが、ことNopinzに関して言えば、それはない。

伸ばして、着る、ぴちぴちに着る事を前提に作られているから。

どうあがいても、そうしか着れない。


それが、止まると暑い事とどう関係するか?ですね。


通常、皮膚とジャージ生地の間には、僅かながら隙間が開くんですよ。シワだったり、弛みだったり。


それが。Nopinzの場合極限までないんです。特に腕周り。


通常だと、皮膚→空気の層→生地→外気 です。

Nopinzだと、皮膚→生地→外気なんですよ。


シワや弛みで出る、空気の層が無いから、皮膚からの放熱が生地で邪魔される為、暑くなります。

通常なら、皮膚から空気の層へ放熱出来るんですが、それが出来ません。

また、手首とかに緩みがないので、外気に出て行くことも無いですから、そりゃ暑いです。


生地も放熱素材なのですが、それは、外気が流れる事で放熱します。故に止まっていると暑いんです。


走ったいると、全然この暑さは感じません。

元々生地が極薄ですから。


極薄にしたのに、パンチングでも無い。そして、ハイパーソニックベースレイヤーが良く避けるようになっている。この極薄素材だからこそベースレイヤーが生きる仕様なんだろう。



もう一つ。ハイパーソニックは、TT用だと言う事。

そして、ここまでTT用なスキンスーツを見た事が無い。他のスキンスーツなんぞ、TT用でもなんでも無いと言えるほどに。


それは、この腕部にも見て取れる。


ここ、曲がっているんですよ。肘で。それも、かなりの角度で。(通常のサイクルジャージの比ではない。)


そうです。【DHバーを握った状態で採寸され、作られている。】んです。


これ、すごいです。




Velotecですら、ここまでの採寸ではない。なので、ここまで肘を畳むとそこにシワがよる。当たり前なんだけど、それを当たり前としてないのがハイパーソニック。



数多くのスキンスーツと呼ばれるものは、ロードポジションなんだよね。

ところが、ハイパーソニックは、DHポジションになった所で作っている。


肩の周りや背中のブロックと、前面ブロックは確実にDHポジションで採寸されている。




同時に買った、ロード用(奥)とハイパーソニック(手前)との差。


ロード用の腕部は、軽く湾曲している。これが普通です。


ハイパーソニックは、わざわざ切り返して、より折れるようにしている。 ロードポジションで乗った方がシワはよる。


もちろんハイパーソニックの腕の付け根も内側に付いている。DHポジションで絞られる事を意識した採寸。




ハイパーソニック(手前)の背中は、ロード用(奥)より、湾曲している。これもDHポジションになった所に首の後方に開きが無いようにしている。

肩口に向かっても湾曲してる。

ここまで湾曲したジャージは見た事が無い。




因みに、ロード用(手前)は、レディースのXXSなのだが、胴体までの長さは、メンズSのハイパーソニックの方がロード用より短い。

これも当然DHポジション採寸だから。そう言う乗り方でしか機能しない作り。


ロードポジションだと、どうもしっくり来ないんですよ。『DHポジションになれ!』と言う事をジャージから言っている。




全体的みて、明らかに前屈みになっているハイパーソニック。


ロード用とハイパーソニックでは、素材だけではなく、裁断位置や角度や裁断面積、その取り付け角度、縫い位置まで違う。そもそも思想が違う。


ここまで違うか?と言うくらい、全くの別物です。


ロード用の焼き直しでは無い。普通ならばロード用の焼き直しなんだよね。


ここまでの事を、市販品スキンスーツにやって来るメーカーは知らない。



Nopinzハイパーソニックは、完全なTT用エアロスキンスーツです。


これをトライアスロンに着ても良くは無い。ランには不適格な姿勢を強要されるからです。


スイムやランで着替えるならまだしもです。これをトライアスロンに着るのは、マイナスです。


また、ロードでもダメです。腕にシワがよりますね。今流行りなトラックポジションでずーっと走るなら良いですが、普通なロードポジションでは、このスーツの意味はない。ロード用を着た方が圧倒的に良い。


そして、TTでも、かなり今時なポジションを取る場合には良いですが、ストレートベントやSベントでかつ、アングルも0°付近な、旧世代なポジションは合わない。あくまでも、今時なアングル角度を30度に限りなく近付けるポジションの採寸になっている。何故なら、肘は畳む事で作られているから。


まさかここまで違うとは、いやもうこれは別物です。


大多数と言うか、Nopinz以外のメーカーはここまでしません。


Nopinzは、Flowも持ってますし、ロードも持ってますが、それらがあるのに、わざわざ、全く別に完璧なTT用を用意してくるメーカーなんて聞いた事がない。


そして、Nopinzはこの裁断型をロードやトライアスロン用にはしない。

普通なら最新なスキンスーツを出したなら、ロードやトライアスロンも同じ型を使うだろう。しかし、それはしない。当たり前だ、だってTTだけに使えるように設計されているから。

それは、最も最新な、Pro1スピードが違うのだから。




Assosを含む、有名メーカーのスキンスーツも多数持ってますが、あれらはTT用スキンスーツじゃない。単に上下繋がったロードバイクジャージと言えます。


ハイパーソニックは、TTのしかもDHバーを握った時のみ機能する。そのように作られた、知りうる限り唯一のTT専用スキンスーツだから。