楕円チェーンリング。
『変速が悪い』とかは、良く言われてますね。
ただ、技術的観点から、楕円チェーンリングの欠点について、答えが無いように思います。
Zwift専用機を含め、ロードもTTも、全て、【オーシンメトリック】って言う、変態チェーンリングを使う私が、その欠点についてお答えしましょう。
楕円チェーンリングの欠点。その答えから言うと。
【楕円チェーンリングは、100%オーバーキャパシティになるから。】
です。
この事から言えるのは、
『クライマーやインナーを多用する人は、使うな!』
ですね。
これ、踏み方がどうこうとか、脚質がどうしたとか、じゃないんです。 そもそも技術的にダメなんです。
では、その理由ですね。
アウターとインナーの損差、枚数差にはキャパシティがあります。
【50/34T】で、16T差ですね。 これが、最大のキャパシティとされてます。 これ以上だと、基本オススメしないって答えが返って来ますね。
さて、楕円チェーンリングです。
同じ、【50/34T】で±2T差 の楕円としたら。
アウターは、最大が52T、最小部が48Tです。
インナーは、最大が36T、最小は32Tですね。
『同じ16T差でキャパシティ内じゃん!』
と思う、そこの貴方! いえいえ違いますよ。
フロントディレーラーのセットアップを考えてみましょう。
この場合。
【楕円チェーンリングの場合、アウター側は、最大口径でセットアップするしか無い。】
です。
そうです。フロントディレーラーは、52Tの高さになりますね。
『別に、インナーだって36Tになるのだから、なんの問題もないだろ?』
って言うのは、勘違いです。
ここで問題になるのが、チェーンがインナーにシフトされた場合のチェーンの高さです。
【楕円チェーンリングの場合、インナーのチェーンの高さは、最小口径部になる。】
です。
損差のキャパシティって、フロントディレーラーの羽の高さなんですよ。
この場合、52Tの高さに、フロントディレーラーの羽は居ますね。
そして、インナーだと、最小部が低すぎて、羽後端に当たる確率が高くなります。
フロントディレーラーから見ると、
【アウター側は最大。インナー側は最小。】
になります。
実は、楕円チェーンリングの場合。その損差は、アウター最大値とインナー最小値になってしまいます。
『50/34T ±2T』だと、『52/32T』
となりますね。
そうですよ、損差20Tです。 オーバーキャパシティですよね。
これ、±2差程度の、ユルユルな楕円ですらです。
±4差以上のオーシンメトリックだと…ですね。
常に、楕円チェーンリングの場合。
【キャパシティ計算は、アウター最大の仮想枚数と、インナー最小の仮想枚数。】になります。
まだ、インナーローなら良いのですが、インナートップ側に行くと、チェーンの高さが問題となります。
フロントディレーラーの羽後端にチェーンが当たるようになります。
これ、無視して使う事も出来なくは無いのですが、余りにも当て過ぎると、台座リベットの緩みや、フロントディレーラー破損に繋がるのでオススメ出来ないですね。
これが4差以上のオーシンメトリックだと、インナートップ側では、かなり当たりますね。
『フロントディレーラーの高さが問題です。』
アウターの高さでセットアップしたフロントディレーラーは、インナー側から見たら、高すぎるんです。
ただ、インナー側ありきで、フロントディレーラーを調整は出来ません。
また、インナーでは、ロー側のみしか使用出来ません。
故に、『インナーを多用したい、クライマー等のには向かない。』ですね。
私の場合、Di2なので、インナートップ側はリミットを掛けてますね。強制的にアウターにシフトさせてます。
フロントディレーラーは、アウター最大値でギリギリを狙って取り付けます。
アウターに当たるか?当たらないか?ホントギリギリです。
そして、
『実はフロントディレーラーの羽後退部も加工している。』
ですね。
もう一つ。ブロックは使いません。
これも、重要です。
チェーンって落ちるのは、前側で落ちます。
ディレーラーの後側では落ちないんですよ。
だから、フロントディレーラーをブロックで後輪側に下げてしまうと、チェーン落ちする箇所から遠ざかります。
ですから、ブロックは付けたくないんです。
ブロック付けたら、落ちやすくはなりますね。
また、引き上げポイントからの遠ざかるので、インナーからアウターに引き上げる時も、ポイントが後ろになりすぎて、上手く上がらないって時はあります。
クリス・フルームもオーシンメトリック使う時は、ブロックを使用してませんでしたね。多分、理由はコレです。
あとは、付属のチェーンキャッチャーも使わないですw
落ちて困る事ないのでw
楕円も、ちゃんと仕組みを理解していると、見えてくる事もあります。