お待たせしました。第6弾です。
富士ヒルの前に、非常にダイレクトな指示を与えました。
私は、彼の脚質を理解しているので、それを踏まえての指示です。
富士ヒルの場合。1合目、2合目…。とわかり易い目印が有るので、それを目印に指示。
と、その前に富士スバルラインの試走を私自らやっております。(コレについても、皆様とは全く違う試走をしておりますので、別編で解説します。)もちろん走る本人もやっておりますが、この本人の試走はノー指示です(笑)まぁ結果は68分程掛かってしまう大失態を犯すのですが…直前の本人試走で、おおよそ3分のビハインドに凹んでましたが、私的には余り関係無いと思っておりました。
そこで本番を走る本人の脚質を鑑みて、私なりのコース攻略を指示しました。
実際の指示。
タイムは見るな!(コレ凄く重要!)サイコンの表示さえさせるな。
まず、順位!全体で50位以内を目指そう!タイムは二の次。これが明確な目標にしました。
1合目までは、21Tで良い。サイクリングペースでOK!誰に抜かれても気にしない事。
2合目から18Tから17Tの基準ギヤで。
3合目辺りで、一度補給する事。それで基準を見つめ直し、仕切り直しすること。
4合目は、リズムに乗って。他人を抜くことより、基準値を!
奥庭駐車場前は、場合によっては、23Tまでしっかり落とす。
5合目手間の平坦はしっかりアウターで、誰にも抜かせず、レースをやれ!40km/h辺りでTTをやる事。この2km区間の為にアウターがある。
最後のゴール前登りは、意地のアウターで!
この様な指示を飛ばしました。
結果は30秒足りなかったですが、直前試走からしたら…ね。順位も全体では、(招待枠も含めてね。)若干50位には届かずでした(笑)
何故この様な指示をと?まず彼はイキナリのペースアップには対応出来ない、ロースタータなんですよ。実際本人試走の時は、気合い入り過ぎて序盤飛ばし過ぎで、中盤からインナーローに凍り付くハメに…。彼との練習での2回の走りを見て、私には彼が、36×17や18Tでイケると確信して居ましたので、序盤さえ楽にクリアさせたら、後は大丈夫と思っておりました。
そこで、1合目はあえて捨てる指示を出しました。21Tです。
こんな指示聞いて富士ヒルクライムに望んだ奴はいないでしょうね〜。
大体、11〜23Tなんて入れて、序盤はサイクリングなんて誰も居ね〜よ(笑)
ここに来て11〜23Tの良さが出ます。最終は23なんですよ。最終の僅か一枚上。初っ端からほぼ最終ギヤ比です。実際本人には18Tを意識させて居たので、21Tは軽く感じて居たでしょう!また、私の試走でも、1合目までは斜度が高いと感じて居たので、21T辺りでもこの斜度の平均値からしたら、そこのまで落とす訳でも無い。落として良いギリギリのところだったと思う。基準をギヤ比に置いているので、落とせ!と指示するにも、明確な目印のギヤ比で出来ます。しかも最終に近いギヤ比。更にサラ脚状態なら楽に感じたでしょう。
2合目からは、意識させてた17〜18Tを主体にさせました。ここからは、私の試走でも斜度が平均値付近を推移して居たので、メインギヤで。今迄の理論通りにしっかり走れたら問題は起こらないでしょう。だから余りココは指示してません。
と、まぁ斜度に応じギヤ比を変えて行く走りに徹して居たので、4合目辺りのスプリット賞は35位以内と全体からしたらかなり良い順位。後半タレなかったという証拠で、ちゃんと言われた通りにやって居たと言うことです。もちろんスプリット賞狙いではありませんよ!
もっとも重要視したのな、奥庭駐車場前の登坂。ここで焦ると、その後の平坦が台無しになるので、あえてインナーローでもいいと指示しました。
そしてメインの平坦!ココが肝。如何に40km/hをキープ出来るか?です。私の試走でも、この長さならキープ出来ると確信して居たので、厳し目な指示。しかしここで序盤捨てた分を取り返す算段だったので、死守です。
タイムでは無く順位を目標にさせたのは、この平坦区間の為です。順位を一つでも上げさせる、守りに入らせない為です。競り勝つ気迫が無いと、この区間持ちません。
ここでの上げの為に必要なのが、アウター。40km/hまで出せるアウターは必須だった。この2km区間だけの為にアウターが必要でした。
ラストゴール前の登り。ここはアウターで意地の登坂をさせました。フロント変速でのチェーン落ちが一番嫌だったからです。(チェーン落ちした方、それはやるべくしてやってます。)ただしちゃんと押し切れるはずと読んでの指示です。
本人は、タイムを見ず、シフトのみに集中して走らせたので、途中ペースを乱すこと無く走れたと思います。
スピードとはタイムと同一です。そしてスピードとは、ギヤ比とケイデンス。よってギヤ比が予想値なら、タイムも予想値になります。
30秒足りなかったのはラスト平坦部の上げが今一つだったと、本人談(笑)まぁ仕方ないです。
とは言え、タイム気にせず、ほとんどぴったりだった事に驚いていた見たいだった。私からしたら当たり前すぎて(笑)驚きもなかったです。
序盤は、ギヤを縛ってでも捨てさせた。敢えて負けさせた。そうです。如何に負けるか?です。
序盤での勝ちは、彼に対しては全く意味は無いです。
平均ということからしても、全く意味が無く。1合目から5合目まで5等分したうちの1つ、5分の1を捨て残りの5分の4を拾った事になり、平均的にはこの方が有利です。本人試走時は、5分の1を獲り5分の4を捨てた結果、ズタボロに…。
捨てるに当たり、タイムを見るなという指示は必須でした。タイム見たら焦るからね!
捨てるって言っても、普通に走って居たらまず無理です。しかもレース中に、しかもゴールド狙いに行く所でね!どれほど抑えろと言っても無駄でしょう。完璧な作戦でもやれなければ全く無意味です。
そして、捨てる勇気は中々出来ません。そこで理論的に詰めます。
理論的にどのように詰め、どのようにコースに反映したか?そのヒントは、試走に有ります。
次はその辺りです。