上岡敏之 (指揮)
篠崎友美(ヴィオラ)
 
ヴェルディ/『シチリア島の夕べの祈り』バレエ音楽「四季」より「冬」
ケルビーニ /『メデア』序曲
ブラームス (ベリオ編)/ヴィオラ・ソナタ第1番(管弦楽版)
ロッシーニ/『泥棒かささぎ』序曲
ポンキエッリ/『ラ・ジョゴンダ』バレエ音楽「時の踊り」より「昼の時の踊り」
ヴェルディ/『アイーダ』より「小さなムーア人奴隷の踊り」「舞踏音楽」
プッチーニ/『マノンレスコー』間奏曲
ヴェルディ/『オテロ』より「舞踏音楽」
ヴェルディ/『シチリア島の夕べの祈り』バレエ音楽「四季」より「春」
(アンコール エネスク/ルーマニア狂詩曲第1番)
 
「冬」から「春」への事実上のニューイヤーコンサート
 
「シチリア島の夕べの祈り」は初めて聴いたが、いずれ絵も華麗な音楽のメドレー
 
ブラームスはやはり重厚な感じがする
ベリオは自らの音楽的刻印を残したかったか、第1楽章と第2楽章冒頭に序奏を加えたというが、あまりベリオの風合いは感じなかった
楽団員ソリストシリーズでソリストは首席ヴィオラ奏者の篠崎だったが、堂々たる演奏だった
 
後半は中学生の頃よく聴いた懐かしい曲が続いた
 
ロッシーニで両翼にスネアドラムが配置されているのには初めて気が付いた
 
「春」でのペレスのクラリネットが秀逸
本人の話ではふたりがインフルエンザにかかったのでお鉢が回ってきたとか
 
アンコールは大好きな「ルーマニア狂詩曲」
序盤のクラリネット、オーボエの掛け合いが見事で、軽妙なメロディから少し重々しくなった後の軽快なフルートも素晴らしかった
熱狂が的な最強音でこの日の盛り沢山なコンサートが終わった
 
ゲストで乗った白尾のフルートはブラームス第4楽章の低音から後半の軽やかな音まで相変わらず柔らかな演奏だった
 
いかにも上岡らしい指揮ぶりだったが、後半は踊るような箇所もあった
 
これだけいろいろな曲を演奏した上にあの快速アンコール、楽団員お疲れ様でした
 
 
 
 
山田和樹(指揮)

小菅優(ピアノ)

 

諸井三郎/交響的断章

藤倉大/ピアノ協奏曲第3番「インパルス」

(ソリストアンコール 藤倉大/ウェイヴス)

ワーグナー/「パルジファル」第1幕への前奏曲

スクリャービン/交響曲第4番「法悦の詩」

 
日本人作曲家の作品を積極的に取り上げている山田の、読響首席客演指揮者就任後初めての意欲的プログラム

諸井作品は寄せては返す波のようなうねりで読響のポテンシャルを再認識した

藤倉作品は昨年モンテカルロで初演初演したものの日本初演
小菅は月曜日にモーツァルトの弾き振りを聴いたばかりだが、6年前にヘンツェを聴いて以来、現代曲のイメージが強いので、この曲の世界初演も彼女だったというのに納得
水を得た魚のように思えた
演奏困難なパートを含みつつも心地よさも感じさせる曲をさりげなく弾きこなした
アンコールも藤倉作品
リリカルな現代曲

ワーグナーは堂々たる演奏
出だしと中間部のチェロパートが美しかった

スクリャービンはまたしてもサントリーホールが大編成の凄まじい音圧に包まれた
数年前のラザレフ/日本フィルと比較すると「ロシア色」が薄まり、より「ワーグナー的」な演奏で、後半のプログラミングをなるほどと思わせた
トランペット筆頭に管楽器の出来が素晴らしく、クライマックスの四管の咆哮は圧巻だった


 

 
ロレンツォ・ヴィオッティ(指揮)
森谷真理(ソプラノ)
清水華澄(メゾソプラノ)
福井敬(テノール)
ジョン・ハオ(バス)
東響コーラス
 
前夜リハを見学
バスはまさかの体調不良による降板で、急遽代役のション・ハオのリハは初日だったが、それを感じさせず、独唱陣は素晴らしく、ミューザなせいもあって東響コーラスもすごい音圧だった
ロレンツォ・ヴィオッティのメンバーへの「しっかり休んで明日また会いましょう」で終わり、翌日に大いに期待した
 
さて、サントリーホールでの本番だが、場内水を打ったよう完全にに静まるのを待ってタクトを上げる、消え入るようなピアニッシシッモから、長身を使った大きな振りにより合唱が爆裂するフォルテッシシッモまで、ヴィオッティの指揮によるふり幅がもの凄く大きかった
終演後コンマス水谷氏は「要求がすごかったし、場を作るのが上手い」と言っていた
 
もともと自分ではこの曲は死者をも蘇えらせるようで、「レクイエム」ではなく、イタリアオペラのヴァリエーションだと思っているが(因みに「レクイエム」としてはフォーレが好きである)、その意味ではまさにうってつけの劇的と言っていい演奏だった
 
なんと言ってもリハから特に強く感じていたが、東響コーラスの出来が素晴らしかった
 
独唱陣はいずれも優れていたが、福井敬、清水華澄の存在感はさすがだった

弦も美しく、木管も良かったが、中でも福士マリ子のファゴット、次いで相澤政宏のフルートが光った

途中バスドラムが「破裂」するオマケ付き
 
終演後お話しすると、相変わらず清水さんは弾けてくれた(笑)