山田和樹(指揮)

小菅優(ピアノ)

 

諸井三郎/交響的断章

藤倉大/ピアノ協奏曲第3番「インパルス」

(ソリストアンコール 藤倉大/ウェイヴス)

ワーグナー/「パルジファル」第1幕への前奏曲

スクリャービン/交響曲第4番「法悦の詩」

 
日本人作曲家の作品を積極的に取り上げている山田の、読響首席客演指揮者就任後初めての意欲的プログラム

諸井作品は寄せては返す波のようなうねりで読響のポテンシャルを再認識した

藤倉作品は昨年モンテカルロで初演初演したものの日本初演
小菅は月曜日にモーツァルトの弾き振りを聴いたばかりだが、6年前にヘンツェを聴いて以来、現代曲のイメージが強いので、この曲の世界初演も彼女だったというのに納得
水を得た魚のように思えた
演奏困難なパートを含みつつも心地よさも感じさせる曲をさりげなく弾きこなした
アンコールも藤倉作品
リリカルな現代曲

ワーグナーは堂々たる演奏
出だしと中間部のチェロパートが美しかった

スクリャービンはまたしてもサントリーホールが大編成の凄まじい音圧に包まれた
数年前のラザレフ/日本フィルと比較すると「ロシア色」が薄まり、より「ワーグナー的」な演奏で、後半のプログラミングをなるほどと思わせた
トランペット筆頭に管楽器の出来が素晴らしく、クライマックスの四管の咆哮は圧巻だった